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「エイリアン インタビュー」その88・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:28







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^^^^^^

では、続きです。


私は内面に向かった。
こもる?つまり冬眠のこと?

もちろん、そんなことだってあってもいい。
昔の体脱のパターンに比べれば、大変な改良が行われたという単純なことだ。
それにしても樫の木の下にごろごろ置きっぱなしにしておくというのは、どうも…

「体の周囲に強力なリボールを付帯させておくのです。」
女性は微笑みながら私に応答してくれた。
「リボールはしっかりしていて、ウイルスさえも浸透させないのです。ですからまずダニや蚊、その他これより大きいものに煩わされることはありません。」

私のロートはずんずん膨らんでいった。
リボールとは、共鳴エネルギー球の略で、人間は以前これを生成しようと下手な努力をしていたものだが、成果はまちまちだった。
これは人間の身体のまわりのエネルギー界のことで、身体を覆い保護するものだった。
現時点だって、まだダニや蚊やウイルス、熊といったたぐいのものがいることは確かなようだ。
BBはニヤッと笑った。
「その通り!確かなようです。」
私はBBを見た。
「こういうことを、あまりしょっちゅうしないというのは、どういう意味?」
BBは女性の方へくるりと振り向いた。
「君が説明してあげてよ。」

その女性は前より少し大きく開き、私は彼女の魅力的な放射が減少するのを感じた。
そしてそれが、故意になされたことも分かった。
私が、彼女がもしそのように望むのなら、もうこれ以上彼女についてのパーセプトを感じ取るつもりはないことを、彼女が了解してくれたのも分かった。
少なくともこの点では、人間は変化していなかった。
つまり女性はこの時点でも、不可思議な存在であることを望んでいるのだ。

「あまりしょっちゅうではない、というのは、週に大体2回くらいという意味です。」
彼女は私の反応を見て、滑らかになった。
彼女は先取点をあげたようだ。
私の方はブランク状態になった。
「ここにいる私たち3人が、そろって同じ日に肉体を持った人間の形でいるのはとても珍しいのです。」
彼女は言葉を続けた。
説明する一瞬一瞬を楽しんでいるのだった。
「肉体の姿で現れたのは、ただあなたに会うためなのです。」
私は微笑んだ。
「感謝していますよ。実際のところ。」
「あなたがよくおっしゃっていたことを思い出しますねえ‥」
彼女は笑ってまた説明を続けた。
「あなたはいつも私たちが肉体以上の存在であるとおっしゃっていましたね。現在はその逆なのです。今度は私たちがですね、新しい人間たちに、あなた方はエネルギー自己、以上の存在ですよと、いつも言い続けているのです。」

私は内面に向かった。
これは私がついぞ予想しなかった内容だった。
しかしただ一つだけ変化していないことがある。
それは一つの事項から、百も二百も疑問が生まれてくるという事実だ。
私がどこから手を付けたらいいのか、というと…
「いつものように基準線がどこにあるかを知りたいのでしょう?そうですね、まず、私たちは今でも人間です。というより人間である生き物とでもいうべきかしら。」
彼女はBBの方を見たが、BBはただ肩をすくめただけだった。
BBらしくないことだ。
AAが彼女に説明をさせるように、BBに指示を出したに違いない‥訂正…説明じゃなくてコミュニケーションということ。
私は今度は違う角度から質問してみた。

「ここに来る途中、家一軒なかったし、建物も道路もない。人間がここにいた、ここにかつて存在したことを示すものが全くなかったのです。都市も、工場も、飛行機や車までね。これはどうして?」
BBは笑った。
「しっかり見ていなかったからだよ。」
その女性は光り輝いた。
「美しいでしょう?」
私は前より滑らかになってきた。
「今みたいな陽気だったら木の下で眠ることも理解できるけど、冬はどうなんですか?今だって人間は暖を取る必要があるのでしょう?」
「リボールがその面倒を見てくれます。」
彼女は答えた。
「リボールが肉体のまわりをどんな温度でも、あなたの好むような空気の層で取り巻いてくれるのです。」
「食料は?食料を摂る必要があるでしょう?」
彼女は手の平を上にして、両手を自分の肩の高さに差し伸ばした。
目を閉じて静かに立っている。
すると少ししてから手を下げて、また目を開いた。
「こうすると少なくとも1週間持つだけのエネルギーを身体に取り込めるのです。」
彼女は満足げな吐息をついた。
私は揺らいだ。
「ということは、あなた方はもう食べ物を味わうということをしないのですか?本物の食べ物を摂らないのですか?」
「ああ、そういうこと?もちろん味わうこともするさ。」
BBが話に割り込んできて、かがみこみ、草の根の間から赤土をすくい取った。
「何が食べたいかい?野生米のご飯?僕の大好物なんだ。」
私は魅入られたようにBBを見つめた。
…このゲームの成り行きにまかせよう。
「いやそれじゃなくてシルバークイーンがいい。」

(注!そういえば…モンロー氏は奥様のナンシーさんのことをたまにシルバークイーンと呼んでいましたね。)


「シルバークイーン?そりゃ何だい?」
「私にさせて。」
女性は右の手の平をお椀の代わりにしてBBから土の塊を受け取り、手の土をじっと見つめた。
すると土くれは泡立ち煮たち始め、色が変わると身がびっしりつまった熟れた白いトウモロコシに変貌した。

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私は彼女が渡してくれたトウモロコシを手にした。
触ると熱い。
それを慎重に口に運び、一口食べてみた。
確かにシルバークイーンだ。
あの私の知る限りでは一番甘みがある、しかももぎたての新鮮なトウモロコシ。
溶けたバターさえ塗ってある。
いやバターではなく、トウモロコシにあうオレオ社製のマーガリンがぽたぽたとしたたる程塗ってある。
私はトウモロコシをむさぼり食べる間、女性の方を見ていた。
彼女は私の気持ちがよくわかると言わんばかりに微笑んだ。
彼女がこのように自分のパーセプトを漏らし続けたら、私は好むと好まざるとに関わりなく、彼女のアイデントが分かってしまうだろう。
そうしたら彼女には秘密がなくなる。
私が彼女にトウモロコシをあげると、彼女はそれをかじった。
こうして私たち二人はトウモロコシをかじり、味わったのだ。

私は食べたトウモロコシが、体のどこに行くのだろうかと思った。
だがそんなことは関係のないことだったらしく、私は滑らかになった。
「いいです、納得しました。じゃ道路がない、交通手段がないということは?例えば日本へ行きたいとしますよね。日本は歩いて行けるような距離ではないでしょう?」
BBはにたりとした。
「そんなの、単にスキップしさえすればいいのさ。もちろん、短距離跳躍で間に合うけどね。でもどうして日本?」
「僕たちが来る途中、日本で何かとても不思議なものが生育しているパターンに気が付いたんだ。」
女性は微笑んだ。
「とても綺麗だったでしょう?」
「最初の寄港先は日本だ。」
BBは森に向かって言い、そのあとを女性が続けた。
「すぐ戻ってきます。」
私はこの二人が樫の森の中に消えていくのを見守った。
そして一人立ったまま、現在の地球の生命の持つ物質エネルギー、そしてその他の種類のエネルギーが不思議な形で入り混じっていることにいろいろ思いをはせながら、二人を待った。
私にはそれぞれのエネルギーの始点と終点がどこなのか決めかねた。
エネルギーの境目は現時点でははっきりと区別はできないのだった。
皆そうなのだろうか?

「用意はいいかい?」
振り向くとBBが目の前に立っており、女性は私の隣にいた。
二人とも、前と違う様子で前よりも体重が軽い感じだ。
「肉体をすててくる必要があったんだ。」
私は突然思いだした。
「トリックはやめてくれよな、BB。」
BBは回転した。
「全然、そんなことじゃないよ。アイデントは彼女が扱う。君と僕は単に彼女の後について追いかけっこをすればいいのさ。」
私はしっかりBBに焦点を合わせ、そして伸びをした。

クリック!


続く→
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「エイリアン インタビュー」その87・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:26







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では!



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そしてそれは私のとてもよく知っているアイデントだ…それは森の中にあった。
私はその方向に向かって歩いた。
…歩いた?…と言うことは足でということだ。
下を見やると確かに足がある。
ごく普通のありきたりの人間の足で、何も履いていない。
歩くと草が足の指に触れるのが感じられる。
私は大きな樫の木に向かいながら、自分の体の残りの部分に触ってみた。

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それは本物の肉体であり、指で触ると暖かかった。
自分の体を上から下へ見下ろすと、22歳の時のもやし姿である…あっと!服を着ていない!

これが未来の進歩した姿なのか。
その時微風を体で感じ、息をすると空気が肺に入ってくるのが分かった。
こうした意識の状態にある時に、完全に機能する肉体を体験するのは、私が覚えている限りでは初めてのことだ。
それにしてもその肉体が、どうして6フィートの(180cm)の背丈で、62キロしかない昔のやせっぽちの私でなければならないのか、理解できなかった。…
…私は森の端にたどり着き、中に入ろうとしたが、何かの障害物にぶち当たり、もと来た方の野原にはね返されてしまった。
私は立ち止まりあたりを見回したが、私のパーセプトには何も現れてこない。
何ものとも結び付けられない。
それでいて親近感が持てるアイデントが、この障害物の向こうにある。
それで、私はもう一度試みることにした。
今度は障害物は少ししなったが、それっきりだ。

…その私の目に見えない力そのものには親しみを覚えるのだが、それでも私にはその障害物とアイデントを結び付けられない。
何かが足りないのだ。

「芝生の所にいたままでいいですよ。私たちの方から行きます。」

声は聞こえない。
非言語コミュニケーションだ!
やった!
人間はついにやった!人間は猿のおしゃべりと、そのおしゃべりの含む内容の次元から大きな飛躍を遂げたのだ!
私はその歓迎委員会たち(どんな人間であれ)に会うことで、期待に胸が膨らんだ。
待つと言ってもほんの一瞬のことだった。
木の下にいた男性と女性がやってきて、私の前に立った。
少なくともあの男女の好ましい両極的相違は変わっていなかった。
二人とも20代後半のようで、魅力的で端正な姿をしている。
皮膚は日に焼け、男の方は薄い褐色の髪、女は黒い髪をしている。
私が彼らを観察している間、二人は微笑んでいた。

私は自分を開いた。
「私が考えたほどには、人間は変化しなかったようですね。身体的な外観ということですけれど。」
「いろいろとごたごたがあって、すまなかったね、RAM。」
その男性は回転した。
「君の案内役が障害物のことを忘れてしまっていたものだから。僕たちは彼の代理だ。」
私にはわけがわからなかった。
「RAMという名前が使われたことからすると、僕のことをご存知なんですね。」
その男性は暖かい態度で答えた。
「そうさ!」
「それに、僕には君のアイデントがとても懐かしい感じがするんだ。君のアイデントはぼんやりしているんだけれど。でもアイデントのこの現れ方が本当じゃないってこともわかるんだ。」
その男性は振動し、回転した。
「君はとてもじゃないけれど信じてくれないと思うよ。でも結局とてもじゃない次元にいるわけだから、信じてもらう以外ないか。」

私はキラキラ輝くパーセプトを得た。
でもそれを信じることが出来なかった。
「BBじゃないか!」
BBは回転した。
「誰だと思ったんだい!」
私は内面に向かい、先ほどの障害物について、私がはねつけられた時点のパーセプトを探し、そのロートを見つけ出した。
そのロートによって、私の案内役が誰であったのかがわかった。
「木立の中にいるのはAAだね?」
BBは大きく開いた。
「AA自身が君にとても会いたがっていたのだけれども、あんまりその気持ちが強くて障害物のことを忘れてしまったんだ。でもAAもパーセプトを感じ始めたからわかってきたと思う。」
「AAは障害物がどんなものかわかっているのかい?」
BBは滑らかになった。
「ああ、分かっているさ。でもAAの言うことには、君は君で自分の力で何ものかを発見しなければならないんだそうだ。」

私は女性の方を向いた。
彼女自身は自覚しているかどうかわからないけれども、私は彼女に強く引き付けられるものを感じていて、もうその力を拒むことが出来なかったのだ…
彼女が微笑んだところをみると、本人も自分の力に気が付いているらしい。
しかし彼女は自分をしっかりと閉じてしまったので、私もその信号を尊重することにした。
BBのアイデントと同じく、彼女のアイデントも強力なもので、BBよりずっと強い…でもぼんやりとしたものだった。
こんなに重要なことを、私はどうして忘れてしまっていたのだろう…この…

彼女はいたずらっぽく微笑んだ。
「あなたは忘れておられません。」
「さてと、何を一番に知りたいんだい?」
BBが割り込んできた。
「僕のロートを作動させてもいいけれど、それは君が知りたい内容のことではないかも知れない。」
私はBBの方を向いた。
「今正確には、西暦何年なんだい?」
「何年?ああ、時間のこと?そんな計算のことなんか、人間は西暦3千年を超えた時点でやめてしまったよ。もう必要ないのさ。次の質問は?」
私は揺らいだ。
「ここはどこなんだい?僕たちがこの地点にどうやって接近してきたかを考え直すと、ここはアメリカ合衆国の東海岸をちょっとばかり入ったところだということはわかるんだ。」
BBは滑らかになった。
「AAはね、君がここに最初に来たいだろうと考えたんだ。でももうアメリカ合衆国じゃない。どこにももう合衆国とか国家なんてないんだよ。そんなものも必要なくなったんだ。でも君はこの特定の場所に関しては、パーセプトを持っているよ。」

私は振り返ってまわりを走査してみた。
確かに見慣れた感じがする。
私たちが立っていた小高い丘、西の方には青味がかった山々!
私は完璧なパーセプトを得た。
私は以前に、まさに何度も小高い丘の上に立ち、西の方を見渡したことがある。
この階段状の丸みを帯びた丘は、私にとっては発射実験場だった。
ここの土地には、私の人間としてのあふれるばかりの経験が結びついている。
…この土地…家々が立ち並び、塀があり、建物、道路があり…それらすべてが消えてしまった。
そう湖…湖はまだある。
それに木、しかも以前よりもたくさんの木が茂っていて、私が見たこともない様な種類の木がある。
そして東の方にあったのは…水面になってしまっている。
前はそこに4車線のハイウエイが走っていたのに、今は水平線まで水面が続いている。

(注!おそらくこの場所は、バージニア州のモンロー研究所があった場所と想定されます。)


「僕たちは昔の思い出に、あれをヴァージニア湾、って呼んでいるんだ。海の一部なんだ。」
BBは極めて滑らかだった。
「君は変化の法則のことをいつもうるさく言っていただろう。同じようにね、昔の思い出のためにここの場所にこもる人間もいるんだよ。」
私はブランク状態になった。
「こもるって?」
女性の方がほんの微かに自分を開いた。
「私たちは気に入った人間たちの肉体を、次に必要になる時まで、樫の木立の下に貯蔵しておくのです。」
「あまりしょっちゅうではないけれどね。」
私は内面に向かった。
こもる?…つまり冬眠のこと?


続く→

「エイリアン インタビュー」その86・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:24







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今晩は!
モンロー氏がインスペックスに導かれて行った未来の地球は…私たちの想像とはかなり異なる世界のようです。
私たちが自分のことを肉体的存在と考えていて、IS・BE…つまり魂であるとの認識がないと、SFのようにしか思えないですね。
私たちはどこからきて、どこへ行くのでしょうか?私たちはなにものなのでしょうか?
答えは自分の中にあるのでしょうか…

続きです。



そこは日本と思しき国の海岸から数マイル離れたところであった。
海は穏やかな薄緑色をしていて、波のうねりは波頭から波くぼまで、10フィートほどでなだらかであり、海の表面を堂々と進んで行った。
海中深く、魚の群れがゆらゆらと緩慢なペースで泳いでいるのが感じ取れる。
その泳ぎは速すぎることもなく、その行路は遠く彼方の海岸線の曲線に沿っている。
何千と言う魚が敏捷に進行方向を変化させるたび、銀色の海原がキラキラと輝く。
この魚群が海岸真近で群泳していたとしたら、まさに海岸の風景が一変してしまうことだろう。

見知った状況ではあったが、何かが欠如している…
私は海の表面を走査してみた。
そして何が欠落しているのか、すぐさま理解した。

船舶がないのだ。
私は水平線を目でたどり、さらにその彼方まで見やった。
櫂船もはしけすらも見当たらない。
次に積雲が長い縞をなしている頭上の空を見渡してみた。
飛行機は見当たらず、ただカモメやアジサシが大きな波のうねりに餌を求めて空を滑空しているのみだ。
空のさらに上方、雲の層の切れたところには何もない。
飛行機雲もないし、飛行機そのものも飛んでいない。

次に私たちは海岸線を超えて日本の上空へ進んだ。
北の方には富士山が見え、白い山頂が太陽の光に輝いている。
下方には大きな格子縞状の、手入れの行き届いた農地が整然と広がっている。
それぞれ微妙な緑色の陰影…いやそうではなくて、緑色以上の色彩を放っている。

緑色の中に一つ一つ異なる色をした巨大な花束のような農地の部分が点々としている。
一つは明るいオレンジ色の集まりで、他のは紺青色や白、そして赤などで、花や潅木、そして明らかにその両者の組み合わせと思われるものなどが、植えてあるように見える。
農地だろうと思った理由は、あれほど大きな花はあり得ないからだ。
それらはあるパターンを成しているのだが、それを見てとるには高空から以外にはない。
それなのに飛行機が存在しないと言うことは…
ここまで考え及んで私に、ある、おぼろげなパーセプトが浮かんだ。

西の空に向かうにつれ、私はさらに欠如しているものに気が付いた。
まず道路がない。
農作業用の小道さえもないのだ。
そして建物が見当たらない。
家も、納屋も、家畜小屋もない。
私はすべての方角に目をやってみたのだが、まったくいかなる建物もないのだ。
都市らしきものも、町も村も見当たらず、電線も無ければ、車もトラックも、自転車すら走っていない。
全く何もないのだ。
空気は澄みきっており、一筋の煙もたっておらず、スモッグもない。

その時あるパーセプトが私の心をよぎった。
人間がいないのだ!
私が探していたのは、本当は人間だったのだ。
人間の男、女、そして子供たちなのだ。
どんな恐ろしい災害が人間を抹殺したのか!

「人間はいます。数は前よりも少ないのですが、何かの出来事でそうなったのではないのです。あなたが知覚しているものは、デザインとして表れたものなのです。」

私たちは西に向かった。
前より速いスピードで、緑色の耕作地に限りなく続く花束の色模様の上を通過して行った。
花束の中にはとてつもなく大きなものがあり、幅が何マイルにもわたるかと思われた。
少しすると海上に出たが、私の地理に関する記憶だと日本海のようであった。
そこはかつては重要な海上航路であったのだが、先ほど同様、依然として船舶が見当たらない。
海上も通過し、再び陸地になる。
ここは朝鮮半島か?
ここはまた別のパターンを成していて、どの方向を見ても背の高い堂々とした木々が生い茂っており、数多くの枝が上の方を向いて密集して伸びていた。
私の知らない種類である…
ここにも人間の作ったものが何も見当たらず、この近辺に、「キルロイはここにいた」ことを示す手がかりはなかった。

(第二次世界大戦中、米軍人はいたるところに”Kilroy was here”と書き残し、己の存在証明とした。)

「あなたのパーセプトはですねえ、何と言ったらいいのでしょうか…時代遅れ、とでもいうんでしょうか。」

私は内面に向かったが、この指摘の意味を考えるチャンスもないうちに、また海上に出た。
今度はさらにスピードを増して進んでいく。
そしてまた海上になった。
ここは中国に違いない。
ここには何百、何千万と言う人間がうようよしているはずだから、その一部は目にすることが出来るに違いない。
だが必ずしもそんなことは言えないのは明らかだった。
私たちは何マイルも、緑の濃い森林が続く上空をひとっ飛びに進んで行った。
そして時々森林の波が切れると草の生えた開拓地になっていて、幅の広い川や水の流れが眼下に広がった。
人間の生命の維持にあれほど欠かせないコメを栽培する水田は、どこへいってしまったのだろう。

「少しはありますが、使用目的が違うのです。鳥類保護区になっているのです。」

下方の陸地は次第にごつごつした岩地になってきて、そうこうするうちに非常に山の多い地域になり、山々の頂上や山脈の間すれすれのところを飛んでいた。
植物はまれにしか生育しておらず、マッハ2かそれ以上と思われるスピードで進んでいると、時折雪をかぶった山々の頂きがきらりと光り、
そしてすぐ後方に立ち消えて行くのだった。
私はもう少し安全な高度で進んでいけたらと思った。
私のパイロットとしての経験は、大胆さと言う点では中途半端だったので、その時の意気地なさが出てきてしまった。
中途半端に大胆だったので、私は年齢こそ経たけれども、格好良く年をとれなかったのだ。
私たちの眼前に全体を雪に覆われた高い岩山の山腹が猛スピードで迫ってきた。

「あの山の中を通過して、向こう側に突き抜けられます。別に状況が変わったわけではありませんよ。」

その山並みはほぼ私たちの目の前にあった。
私はまさに衝突しようとする瞬間、自分をしっかり閉じた。
ほんの一瞬自分の周りの感じが少し変化したと思ったが、その感覚もすぐ消滅した。
私は自分を開いて後方に目をやった。
あの高い山並みは遠くの方へずんずん退いて言った。
物質を通過するなんて、私の習慣にはまだないことなのだ!

じきに眼下の大地がまた平らになり始め、森林の色は前より薄し緑色になった。
開拓地も前より広い地域を占めている。
私は自分の地理の知識を掘り起こしてみた。
中東の上空にあたるとは思うのだけれど…
そう、その通りに、石油の産地である。
私の知る中東が、昔のような砂地のうねる、半ば砂漠状態の姿を現した。
私は四方を見渡してみた。
木々が特別な対称形のパターンで生い茂っている。
だがそこには石油タンクもなければ、パイプラインも、石油をくみ上げている油井も見えない。
人間がかつてここに足を踏み入れたと言う痕跡は、何もないのだ。
油田はすっかり空になるまで汲み上げられてしまったか、さもなくば石油の必要性がなくなったかのどちらかだ。

「その両方のパーセプトはともに的確です。」

私たちは再び水上を進んでいた。
ここは地中海か?
そしてスピードを増してさらに高いところを飛んで行った。
下方に陸の小さな断片がちらほらと現れたが、どういう場所か私には見分けがつかなかった。
そしてまた海上に出るとそこは大波がうねっている。
大西洋に違いない…
また陸上…そして突如としてスピードを緩め、私たちは丘がうねうねと連なる領域に囲まれた草地に着陸した。

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どうしてこの場所に止まったのだろうかと、私はあたりを見渡した。
極めて微かにではあるが、この場所には慣れ親しんだ感覚があった。
私が立っている所は小さな丘で、それは青々とした草地の中にあった。
その草の上の方が一定の長さになっているのを見ると、最近刈り込まれたに違いなかった。
…いや違う、刈り込まれたのではなく、草はみな同じ長さで生育しているのだ。
枝を大きく広げた樫の木の森が、私の後ろに迫っていた。
はるか向こうの方には、青緑の山脈が高々とそびえており、その連なる山並みは遠くになるほど高くなり、巨大な階段状を呈していた。
…どうしてここで止まったのだろうか?

どうしてこの場所に…?

「彼らの希望なのです。あなたを待っています。」

インスペックスのエネルギーが消え、私は一人になった。
私はそこに立って、自分の肉体をまざまざと感じた。
顔には太陽光線が降り注いでいるのが感じられる。
軽やかな涼風が私の髪の毛をくすぐる。
髪の毛だって?
彼らが私を待っているだって?
私は周囲を全部走査してみた。
しかしアイデントは見つからない。
いや、ただひとつだけある。
そしてそれは私のとてもよく知っているアイデントだ…それは森の中にあった。
私はその方向に向かって歩いた。


続く→

「エイリアン インタビュー」その85・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:21







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では続きです。




第15章    約束された計画  (未来)


 時刻ー午前2時32分‥
肉体が完全に覚醒した状態で目を覚ます。
いつものインスペックス信号を感じる‥それは微かな信号で、執拗ではないが確かに感じる。
が、自信が弱まった感じ‥いつものように短い時間で焦点を定める作業をし、肉体から外れ、第二の体へ。
 飛行機でゆったりと2回転するのによく似ているやり方だ‥インスペックスの信号めがけて進む。
動いているという感覚がほとんどない。
そのうちに私はいつもの会合場所で、インスペックスと落ち合っていた。
 私にはここから先、つまりインスペックスの世界へは、肉体から自分を完全に解き放つときが来るまで、決して踏み込まないだろうということが分かっていた。
 この先の世界を知っていることで、また行ってみたいというやむにやまれぬ誘惑に駆られてしまうのだが、少なくとも今のところは、そうした誘惑を処理する自信があった。

「我々はあなたの人間的表現を楽しませてもらっています。今の処理する…という表現ですが、それは肉体というあなたの付属物を掌握することを意味するのではなく、適切に行動する能力のことを言っているのですね。このように我々はあなたから学ぶことが実際あるのです。」

 彼らが何にせよ、私から意義あることを学べるとは私にはまだ考えがたいのだが、彼らが‥学んでいると思うのだったら、それはそれで結構だった。

「我々はあなたから、そしてあなたを通じて多くの大切なことを学ばせてもらっていますよ、アシャニーン。」
 
 私は、彼らに対しては質問をする必要がないことに、初めて気が付いた時のことを今でも覚えている。
「彼ら」は、私が尋ねる前に私の質問を察知してしまうことも含めて、私の心に浮かぶことすべてを感知してしまうので、どんなに面食らったか…
 しかし、私が何を考えても信じても、感情的にどう反応しても結局人間だからこそ、そうしてしまうのであり、それがゆえに判定が下されるのではないと自分が納得したとき、気持ちが鎮まった。
 このように受け入れてしまうと、なんと晴れやかで自由な気持ちになれることか!

「ですが抑圧も経験していないと、あなたの言うようなことが自由であるとは認識しないでしょう。」
 確かに比較すべき要素が常に作用しているようである。
それがなければ多分、変化ということもあり得ない。
少なくとも認識するという作用は起こらない。

「この時点で我々は、あなたが他の新しい認識を体験する準備ができていると見ます。あなたが現在の時間の次元で、これからしようとすることがどういう将来への展望を持つのか、今はそれを味わう余裕があると思います。あなたが自分一人の力で、この将来への展望を現実化して地球世界にもたらすと言っているのではありません。あなたがすることは、現実化する内容全体のごく一部にすぎません。そしてあなたの努力は多くの、大変な数の人たちの協力や、支持を得ているのです。彼ら自身もそれぞれが小さい部分を、ちょうどあなたがするように成し遂げ、生み出しているのです。それはそれとして、あなたとしてはあなたの現在時間で努力することにより、ご自身の担当部分を完遂し、それが終わったらホームに帰還してよろしいのです。帰還なさった暁には、あなたが今提案しようとしていることが時期を経て熟し、身を結び、その結果をともに享受することになるのです。」

 ホーム…ということばを聞いてなつかしさが込み上げてきた。
私は内面に向かい自分を閉じた。
私の内部では、到底その全体を表現しきれないようなロートの断片が様々な響きを奏でていた。
…あの澄み渡ったのどかさや、自分がそこに属しているという完全な充足感…私が忘れてしまっている、あの活気を思い起こすこと…あの暖かく、しゃきっとした明快な感じ‥それなのにどこかしっくりこないのだ。
 何かが足りない。
それはあまりにも奧深いところに隠れてしまっている。
 それとも?
その時私は自分を開いた。

「あなたが今思いをはせたことが、あなたにとって大切なのだろうと思いました。我々はこれからあるものをお見せするわけですが、あなたはオブザーバーとして見てください。参加者としてではなく。」
 私は振動した。
それにもかかわらず私はブランク状態になっていた。
「彼ら」が計画したことなら何か大変なことにちがいないけれど、私には彼らが私の心を読み取るように、彼らを読み取ることができないのだ。
 彼らは一体全体何を…
「我々は、あなた方の時間の計算だと西暦3千年を超えた物理的な地球がどのようになっているか、その可能性を示す状態へとお連れします。そこに住まうものは、我々がーHプラスー、つまりヒューマンプラスと呼ぶ者たちで、このプラスというのは、あなた方現時点の人間たちにどのような変化が加わった結果、進展した生物なのかを示しています。あなたは今もそうですが、そこへは訪問者としていくことになります。」

 さてさて!そういうことだったのか!
私は未来へはほんの数回しか訪れたことはないけれど、自分の力ではこれほど遠い未来へスキップする勇気はとても出ない。
 でも彼らと一緒なら…

「しっかり自分を閉じてください。そのほうがいいでしょう。」

 私は大変興奮し、私の振動にもそれが表れていたので、自分の内面に向かい、興奮する気持ちをループ状にたたみ込み、自分を閉じた。
これは本物のロートなのだ。
 部分的な傾向を見て、それがどういうことか想像したり、こうでもあろうか、ああでもあろうかと考えあぐねる類のことではないのだ。
そういうやり方だといつも…


クリック!


 私たちは地球の上空遥か彼方にあった。
月に向かって半分進んだ所で、地球を振り返った時のような眺めであり、月もまだ私たちの後方にあった。
 地球はいつもの青緑色をしており、白い雲が部分的に覆っていて大地を隠していた。

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私たちは順調に進んで行った。
地球の周りにはもう灰色や、褐色の部分は分厚く取り巻いていなかった。
 私は嬉しくなった。
これは地球の周りの障害物が取り払われたことを意味しているからだ。
 ただ地球の新しい特徴が私の注意を引いた。
私はそれから目を離すことが出来なかった。

 地球の周りにはちょうど土星の環のような、平らな環が取り巻いていて、それはきらきらと輝きを放っていたのだ。
この輝きは太陽光線の反射ではなく、地球そのものの内部に源を発しているのだ。

「この環の持つ意味は、我々が進むにつれて十二分に理解されることでしょう。」

 私たちはこのきらめく環の内側へと向かって進んだ。
それも環そのものを通るのではなく、環の周辺をたどりつつである。
そうしているうちに、私はもう一つ違いがあるのに気が付いた。
Mバンドではたくさんコミュニケーションが起こっている。
なのに騒音はない。
騒音がない!

 その意味は一つしかなかった。
人間はついに成し遂げたのだ!
更にその証拠にはMバンドが原因である霞がないということ。
思考がでたらめに散乱していることもない。
 これだけでこれから何が起こるのか、私に期待できることのパーセプトの片鱗がうかがえた。

 私たちは約8千メートルのところまで下降し、北半球の東から西の方に緯度28度近くのところを回り始めた。
 そこは日本と思しき国の海岸から、数マイル離れたところであった。


続く→

「エイリアン インタビュー」その84・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:19







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では続きです。




^^^^

私たちはスピードを緩め停止した。
するとグループの中から一人離れて、私たちの方に進んできた。
それは形状としては少しだけ人間の様子をしていて、柔らかい光を放っていた。

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私は開いた。
「君の言葉に甘えて、来させてもらったよ。ビル。」

(注!おやまあ!驚いた。ビルとは、例の睡眠時学習スクールの時の、先生のビルですわ…)

その者は滑らかになった。
「君がやってくるとは思っていたよ。ボブ。そこにいるのがKT-95から来た友達だね。BB君、ようこそ。」
BBは揺らいだ。
「あのう、あ、こんにちは!」
ビルがBBのことを知っていたことも、今ここに来たことも含めて、今回の冒険の全部が初めからきちんと計画されているような感じがあった。
それだから私はBBとビルを引き合わせたので、今こうして二人は出会ったのである。
BBが話の糸口を作った。
「あなたもこのRAMのように人間なんでしょう?」
ビルは少しばかり回転した。
「BB君、私は自分が人間であったというロートをしっかり持っているけれど、今の時点ではボブ君のようには肉体を持たないんだ。」
「僕から何かロートを差し上げましょうか?僕が何者かっていうようなこと…」
「それは必要じゃないよ。私は君や、君の友人、ええと、あのAA君のこと、そしてKT-95について明確なパーセプトを持っているからね。私に興味があるのは、君が今回簡単なレッスンを受けて、人間の生命体験についてどんなパーセプトを持ったかということだ。」
BBは揺らいだ。
「僕のパーセプトですか?それは、あの、あんまりしっかりしていないんです。どうしても知りたいのですか?」
ビルは滑らかになった。
「そのままでいいんだよ。」
「そうですか。そのですねえ…僕のパーセプトは、人間ってゲームのまたその上のゲーム、それもびっくりするようなことをしていて…それにはルールがあって、またそれに重なってルールがあって、あんまり複雑なんでどのゲームをしているのか混乱しちゃって、人間がやっていることのパーセプトが全然持てないんです。そしてですね。あまりいろいろなゲームをしていて、それが忙しくてそもそもゲームだった、ということを忘れてしまう。なぜゲームをしているのかとか、どうしてそのゲームを始めたのかもね。」
「それはうまい説明だね、BB君。」
「僕が得たロート、この本物のロートをそのままKT-95へ持って帰って、その一つ一つをゲームとして、次々にKT-95の連中に供給してみた日にゃ、KT-95の連中、あまりに超スピードのスキップをし始めて、ついには大回転でもして、放り投げられちゃいますよ。」
「確かにそうなることもあり得るね。」
BBは揺らいだ。
「でも足りないことがあるんです…つまり、あの、それがないとゲームはゲームでなくなってしまうんです。」
ビルは極めて滑らかに言った。
「たとえばどういうことだね?」
「人間はどうやってゲームの点数をつけるかっていうことですよ!誰が点数をつけているんだろう?」
「そりゃ、そうだね。」
BBは振動した。
「点数つけなければゲームしてて何が面白いんでしょうか?ゲームしてて楽しくないんだったら、どうしてゲームをするんですか?僕が見てきた人間たち全部をとっても、僕には一人として楽しんでいると言うパーセプトが得られなかった。」
ビルは淡々と答えた。
「時々は楽しむし、多くではないが一部の人間はほとんどの場合、楽しんでいる。いつも楽しんでいるのはほとんどいない。そういった連中はなかなか見つけられないんだ。君のパーセプトは大雑把なので、そうした細かいところまでは把握出来なかったんだよ。」

BBは揺らいだ。
「もう一つあるんです。」
「何だい?」
「もう一つのことだけれど、これはMバンドをメタメタにかき乱すんです…キリキリっていう雑音です。RAMはこれを感情と言う名前で呼んでいるけれど、僕には何のことだかさっぱりパーセプトがない。RAMは僕が人間にならないと分からないことだって言うんだ。」
「感情がゲームの点数なんだ。ゲームの成績なんだよ。」
BBはブランク状態になった。
私はビルがこの点に関して、彼の考えを展開してくれるのを待った。
私も知りたかったからである。
ビルは続けた。
「感情と言うのはゲームを大変なものにする代物なんだ。でも感情それ自体がゲームで、感情の中で他のすべてのゲームが行われる。その他のすべてのゲームの役割は、感情エネルギーという形で、この主ゲームに点数をつける。主ゲームは供給された感情エネルギーをコントロールし、成長させてもっとも効果ある状態にするんだ。この状態は我々人間によって、あいまいな形ではあるが、愛とかと呼ばれている。それも人間が人間体験を卒業するまでの話だがね。点数を稼げば稼ぐほどこのゲームが面白くなってくる。私の世界では、つまり君が今いる場所のことだけれど、ここでは我々は他の人間が成績を向上できるように手助けして、そのためにエネルギーを費やすんだ。いかなる方法であれ、どういう場所であれね。だから我々はゲームをしているものたちよりも楽しんでいる、と言う訳だ。」

(注!これまた驚きです!人間体験のゲームの点数は感情エネルギーで、もっとも効能があるものは愛!であり、それをたくさん稼ぐことが出来るものは、他のものよりもはるかに楽しんでいると言うこと…!)

BBは内面に向かい自分を閉じた。
彼はしばらくしてまたやっと自分を開いた。
「あの、ビルさん。」
「何だい?BB君。」
BBは揺らいだ。
「僕には感情とか、愛のエネルギーっていうやつのパーセプトが全然持てないんです。そういったものを感じたこともないんです。」
ビルは優しく振動した。
「もちろん、感じたことがあるさ。」
BBはブランク状態になった。
「僕がそういったものを感じたことがあるですって?」
「君はどうして今ここにいるんだい?どうしてわざわざKT-95から戻って来たんだい?どうしてその…うろつき回っていたんだい?どうしてボブについて、簡単なレッスンを受けようと望んだんだい?どうして単にKT-95に帰ってゲームをしようと思わなかったんだい?」

BBは完全にブランク状態になった。
彼はゆっくり内面に向かい、そしてしっかりと自分を閉じた。
BBは私に感じ取れる放射も全く発せず、全く動きを止めてしまった。
ビルがBBと接点を持とうとしても、BBは何の反応も示さない。
私はこういう場所に遭遇するのは初めてだった。
BBのように肉体の生命を持たぬ存在に、こんなことが起こるなんて、肉体の死の直後に驚愕状態に陥った者達は別としても、私には全く初めて体験することだった。
後者の場合は、こうした状態がどのように開始したのか見たことがあるわけではないので、BBの場合は私には更に強烈だった。
私は振動し始めた。
ビルは静かに自分を開いた。
「ボブ。君はもう戻った方がいいよ。BB君のことは我々が面倒見るから。」
私はさらに振動した。
「BBは大丈夫だろうか?」
「BB君が取り込んでいるのは大変なロートだ。彼が今までに人間の生命体験を持たないことが、今回の経験を異質なものにさせている。大丈夫さ、BB君は。」

BBをこのツアーに連れてくるんじゃなかったと考え始めた時、ビルが口を差し挟んだ。
「ボブ、BBが落ち込むようなロートを与えたのは私だ。彼は今、我々が良く言う、ショックと同じ状態にある。君は戻りたまえ。君のエネルギーは弱くなってきているよ。BB君の面倒は我々がよく見るから。そのうち回復するさ。」
私はしぶしぶ向きを変え、半回転し、自分の肉体のアイデントをたどった。
私はリラックスした。
そしてBBにとっては、多分インスペックスは例外として、ビルや彼の知人たちほど頼りになるものはいないと確信した。
それに、インスペックスとビルたちを区別する境界線というものは全くもって、極めてはっきりしないのだった。
私は何の支障もなく、第二の体から自分の肉体へと再び入っていった。
全てが正常で静寂に満ちていた。
一つだけ忘れてしまったのは、時刻を確認することだった。
その後私は何週間も何か月も、ビルたちとインスペックスを分け隔てる微妙な境界線のことについて考え続けた。


続く→

「エイリアン インタビュー」その83・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:17







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カウントダウンが続く半島情勢です。
AAとBBの物語で、地球体験にエントリーしたAAが、3回目に生まれ変わり、戦士になった話がありました。
AAは戦士になりたくて、希望して生まれ変わりました。
このようなレベルのIS・BEの段階がある、と言うことですね。
地球から戦争や争いが無くならないのは、地上だけの問題ではない、ということが言えると思います。
地球で何を意図して参入したとしても自由…ということになっているのでしょうか…

あちらでの規制があるのでしょうか?
どうもないような気がします。
それには理由があるようですが…
個人の願望を何を実現しても良い…と言う状態を自由と言うのか。
個人の願望を実現するのは自由、しかし、他の個人の人権や意志を損なってはいけない…というようなある種の規制を設けたものを自由と呼ぶべきなのか。
では地球は自由放題の星かと言うと、違うようですね。
その原因は地上にある…と言うよりは、あちら側の世界にあるように思えてきますが…


^^^^^


続きです。



すると一人の女性が正面のドアから現れ、幅の広い階段を下りてきた。
階段の最後まで来ると女性は顔を上げ、突然停止した。
目には恐怖を浮かべてはいなかったが、ただ確信が持てないという風だった。

私は誤解を正すことにした。
「私たちは噛みつきませんよ。」
女性はすぐさま応答してきた。
「噛みつくとは思っておりません。あなたをどのグループの方とお呼びしようか考えあぐねていたところですの。いろいろな委員会がございますでしょう?新参の方とはお見受けしませんけれど…」
私は笑った。
「ちょっと立ち寄っただけです。」
「私どもの牧師によれば、ここには訪問客なんて申す人間はないということでございます。」
彼女は自信を持って答えた。
「もしあなたに私たちと同じ信仰がおありにならなければ、私どもを探し出すことはできなかったでしょうから、新参の方と言うことでも結構でございます。テルマのところにお連れしましょう。テルマは歓迎委員会の責任者ですの。」
私は笑った。
「結構です。ご好意はありがたく頂戴いたします。私たちは他の所へ行く途中なのです…」


(注!信念体系領域と名付けられたこのエリアでは、類が友を呼ぶと言う世界であるようです。)


その女性は困惑した表情になった。
「私たち…とおっしゃっていますけれど、あなた以外に誰がいらっしゃるんですか?私どもには複数人格と言うクラスがございますが、それに出席なさってもよろしいんですよ。フランケル博士が教えておられますの。」

BBは口を差し挟んだ。
「彼女はどうして僕のことを感知できないの?ねえ、RAM。チャーリーにはわかったのに。」
女性は私に笑いかけた。
「え、何ですの?…ああ、おたくの名前は、ケン・ラム・チャーリーさんとおっしゃるのですか?」
「と言う訳でもないのですが…」
面白いことになった。
彼女は自分のパーセプトに合わせるために、私とBBの熱放射をごちゃ混ぜにしているのだ。
「永遠に続く生命があると言うことを知るのは、それを本当に知るのは素晴らしいじゃございませんか?」
彼女は外側から手を差し伸べて来た。
「私が死にましてここに連れられてきたときのこと、それはよく覚えておりますのよ。密かに疑いの念を抱いておりましたこともね。ですからあなたの気持ちが良くわかります。教会の日曜学校に出席なさり、そして再教化を受けられたら、そうしたお気持ちも消えてしまいますよ。ご心配なさらないで下さい。ただご自分一人でここに来られたのは珍しいことですけれど。」

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私はBBのために聞いてみることがあった。
BBは事の展開にじっと集中している。
「それではここは天国ではないのですか?神様がいらっしゃる所ではないのですか?」
女性は少し笑って言った。
「私も来たての頃、あなたと同じ質問をしたんですの。失望なさらないで下さい。私どもは天国のすぐ入り口にいるのです。私どもの牧師であられるフォーチュン先生が、そのことについて毎日曜に説教してくださいます。その内容は私がまだ肉体を持っていて、レキシントンに住んでおりました時、ウィルソン牧師から聞いたものとはずいぶん違っておりますが。」

「お戻りになるつもりですか?」
女性は眉をひそめた。
「肉体の存在に戻るという意味ですの?」
私は滑らかになった。
「そういう意味合いですけれど。」
女性はちょっと考え込んだ。
「分かりませんわ。フォーチュン先生はそれについての説教もなさいます。先生がおっしゃるには、私どもがここから出る時、またもとの世界に戻ってもいいし、どこか別の所に行っても良いと言うことですの。」
BBは口を差し挟んだ。
「聞いたかい、RAM。このフォーチュンってやつはしっかりしたパーセプトを見出したんだね。」
私はBBの方を向いた。
「そうだね。」

女性は私のことをじっと見つめていた。
「おたくは口の中でもぐもぐ物をおっしゃるんですのね。そう、フォーチュン先生の感性は正しいと思います。でも先生は、やつ、ではなくて、しっかりしたお方ですのよ。」
私は固執してまた開いた。
「それではここから立ち去って行く人も確かにいるんですね?」
女性は微笑んだ。
「そりゃあございますよ。毎週日曜日になると会合グループが、いくつかいなくなりますの。フォーチュン博士はそれは構わないとおっしゃいます。」
「出て行かれる人たちは、どうなるのかご存じですか?」
「そうした方々は教会の礼拝式が終わりますと、他のものより先に表玄関から出て行きます。その後は再びお会いすることはありません。教会に残ったものたちが建物から出た時には、もうどこかに行っておしまいになっています。これは私ども教会の、そう、儀式でございます。」
私は彼女に聞けるところまで聞いてみた。
「去って行った人たちは、やっと天国に行くわけですか?」
女性は非常にはっきりとオープンに答えてくれた。
「私ども教会の会衆のほとんどがそう考えております。フォーチュン先生はこの点に関してどちらともおっしゃらないのですけれど。礼拝が終了します際に、先生はちょうど私が肉体で存在しておりました時、ウィルソン牧師がなさった、神のおぼし召しのようなものを配られるのです。そして人々は立ち上がり、教会の出口に向かって歩きます。出口のところでフォーチュン先生は、後に残っている私どもには聞こえない何かを、去って行く人たちにおっしゃるのです。それから残った者達が讃美歌を歌い、何人かの人たちがそろって出ていくのです。」
「あなたご自身はどうお考えですか?こうした人たちが、どこに行かれるのだと思いますか?」
女性は躊躇した。
「存じませんわ。この場所は私が予想したのとはあまりに違っておりますし、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。…ただ私が心を決めかねているだけですわ。」
そして彼女は笑って言った。
「でもあなたは私に質問していらっしゃる。あなたが必要なのは、歓迎委員会の人たちですわ。あちらの方にご案内し…あら、待ってください、どこに行かれるんですか?」
「私たち、あの、私はもう行かなければならないんです。」
私は上昇しながら女性に伝えた。
「天国でお目にかかれると宜しいですね!」
女性は立ったまま、驚嘆して私たちが去って行くのを眺めていた。
そしてついに女性は霞の中に消えて見えなくなった。
その後、女性が私たちが立ち寄ったことを報告したとしたら、どういう報告をしたのだろうかと、興味深く思うことがたびたびあった。

レッスンの最後でどこに立ち寄ったら適切か、私が計画している間、私たちはゆっくり進んだ。
レッスンの間中、私はあまりにあちこち飛ばしたり、こじつけて言い逃れしていたので、この旅行が値打ちのあるものかどうか、確信が持てなかった。
これは初心者が請け負う仕事ではないのに、短時間に簡単にレッスンしてあげるということでは、私はまさに初心者の教師だった。
私がまだあまりに人間的でありすぎたからだ。
BBは私を突ついた。
それがどこで停止したらよいかの答えになった。

「おい、RAM、僕たち天国へ行こうとしているのかい?」
私は少し回転してから滑らかになった。
「まだだよ。僕のパーセプトはね、もしそうしたくても僕にはできないと言っている。」
「それじゃ、あそこはどう?あの、君とじゃなくて僕とロートの投げっこをしてくれる人がいるところ、分かるだろう?チャーリーの所へ戻ろうよ。」
私はBBに返事をしなかった。
パーセプトがキラキラと輝き、私は速いスピードで進み始めた。
私は最終の寄港地がどこなのか、確信を持っていた。
私たちが向かったのは、一番外側の環体の、それもきわめて外の方にある霞の薄い部分であった。
私たちが近づくにつれてこの外側の環体の縁が輝いてきて、内側に入ると全体の輝きは柔らかい光を放つ個々の光源になった。
これがこの世界の住人だった。
全員とも一時的な職務に就いているのだが、献身的に仕事をしていた。
私はある特定のアイデントを持っていて、そのアイデントに集中して進んで行った。
BBも後を追った。
ほんのすこしばかり進んだところで私たちはスピードを緩め停止した。

するとグループの中から一人離れて、私たちの方に進んできた。
それは形状としては少しだけ人間の様子をしていて、柔らかい光を放っていた。


続く→

「エイリアン インタビュー」その82・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:15







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では続きです。


丸太小屋の戸が開いて、チャーリーが出てきた。

丸顔のチャーリーは相変わらず背が低く小太りだった。
そしていつもの格子縞のシャツを着ていた。
普通はブロンドのカールした髪なのだが、今回は黒っぽい真っ直ぐの髪だった。
チャーリーは私の方にやってきて、私たちは握手をした。
「やあ、ロバート君、またもや抜け出したと見えるね。」
「やあ、チャーリー。髪の毛はどうしたんだい?」
チャーリーは揺らいだ。
「ああ、あのまあ、新しい友達が出来てね。彼女が褐色のまっすぐな髪がいいって言うもんで変えたんだよ。小屋にいるけど会うかい?」


(注!いやあ!びっくりですねえ…あの世で彼女ができちゃうんですか…ふぁー)


「僕たちはちょっと立ち寄っただけだから、多分この次の機会にね。」
チャーリーはBBのいる方を見た。
「誰かと一緒なのかい?」
私は滑らかになった。
「ああ、友達だ。」
チャーリーは懸命に目を凝らした。
「何かの輪郭が見えるけど、それもやっとおぼろげながらだ。」
「BBって言うんだ。」
チャーリーは信じがたいようだった。
「BB君、あんたのことは見えないけど、とにかくこんにちは!ファンタジーアイランドにようこそ。」
BBは揺らいだ。
「あのう、こんにちは!チャ-リーさん。」
チャーリーの顔に驚きがよぎった。
「声が聞こえた。聞こえたんだが姿が見えない!」
BBはちょっぴり回転した。
「僕にはチャーリーさんが良くわかりますよ。」

チャーリーは私の方に向いた。
「あんたが友達に体脱の手順を教えてやったんだね。今じゃ旅行仲間がいるってわけか。いいじゃないか!」
私は滑らかになった。
「ちょっと違うんだ、チャーリー。あのね…」
「ロバートさんよ、友達に自分の姿をもっとよく微調整するように教えてやらにゃあ。輪郭すらもはっきりとは見えないんだから。砂漠の蜃気楼みたいだ。BB君や、わしの声がまだ聞こえるかね?」
BBはチャーリーからパーセプトを得たに違いなかった。
「明瞭にね、チャーリーさん。0レベル、DBプラスマイナス3です。」
チャーリーは満足げだった。
「BB君、言ってくれるじゃないの!わしにも少なくとも君の声が聞こえる。どうだね、わしの労作をどう思うかね。波が正しく岩にくだけるようにするには苦労したよ。まったく。そうじゃわい、ロバート君。君は夕日が好きだったよな。これはどうだい?」
私たちは向きを変え、海の向こうを見やった。

薄青色の空は次第に暗くなり、地平線上に揺らめく
赤、橙、そして黄色がいっしょくたに溶けた夕日になった。
雲の層が表れてこの日没の情景に遠近感と色彩の深みを加えた。
雲の縁の部分はバラ色と藤色の色合いになっている。
チャーリーは私の方を向いて言った。
「最初の設計図としてはどうかね?」
私はBBに説明した。
「チャーリーはね、前回の肉体の時は電子工学の技師だったんだ。」
「技師としてわしはかなりいい線をいっていたと思うよ。」
チャーリーは私の説明に加えて言った。
「ここでやれることに比べたら、あの頃の仕事なんて何てことない。BB君、君の専門は?ロバート君と一緒に働いているのかい?」
BBは揺らいだ。
「僕はKT-95のものです。」
チャーリーは当惑した表情をした。
「KT-95?わしは聞いたことがないが、その会社はどこにあるのかね?」
私はチャーリーに真っ向からぶつけてみることにした。
「チャーリー、BBは地球から来たんじゃないんだよ。そればかりか、人間でもないんだ。」
チャーリーは驚いたようだったが、それもほんの一瞬だけだった。
「おいおい、またその手の話を始めようっていうんじゃないだろうねえ。」
私は笑った。
「本当なんだよ、チャーリー。」

チャーリーはBBが立っていると感知してその方向へ向いた。
「ロバートはね、わしたちが何もわかっていない別の世界のことや、エネルギー界について、ずいぶん知恵を付けてくれてるんだ。太陽系のかなたにある惑星に、知性を持った生物がいる可能性があるってくらいの所までは、わしもついて行けるし、人間の生命が今のわしみたいにも作用するってのもどうにか分かる。で、やつは君を使ってこのチャーリーさまをちょいと騙してみたわけかい。音声と画像の動機をちょっぴりずらして、君の姿が霞んで見えるようにしたってわけか。それになあ…ロバート君は超生物を見つけたってんだよ。」
BBは揺らいだ。
「チャーリーさん、待ってくださいよ。僕は別に…」
「いいともさ。もう一つ駄洒落を聞こうじゃないか。」
チャーリーは含み笑いをした。
「BB君、君はどこから来たって言ったかな?」
「KT-95です、チャーリーさん。」
BBは滑らかになった。
「こことは異質の場所です。」
「そうさ、そうだろうともよ。」
チャーリーは笑った。
「そこじゃ何をしているんだい。つまり君自身のことだが。」
「あの、僕ですか…ゲームをします。」
「どういったゲームなんだね?」
「説明しにくいのですけれど、一つお見せしましょうか?」
チャーリーは笑った。
「OK。見せてくれや。わしは何てったってミズーリっ子だからな。」
私は口を差しはさんだ。
「BB…やらない方がいいと思うよ。チャーリー、僕たち、あのう、時間がないから…」
チャーリーは大いに笑った。
「BB君を窮地から救おうってのかい、ロバート。もう少しBB君を訓練してあげるべきだったな。なあ、BB君。君は我々人類を我々の愚かさから救うために地球にやって来たってんだな。核爆発を起こさないようにとかさ。」

BBはブランク状態になった。
「いや、そうじゃないんです。僕らはこのTSIツアーというので旅行していてですねえ…」
「ただ立ち寄っただけって言うのかい?え?」
「それだけなんです。そうしたら…」
「君がやって来たKT-95は一体どこにあるんだい?」
BBは揺らいだ。
「あの、あっちの方に2、3回長距離スキップしたところにあります。」
チャーリーは、にやにやしながら私の方を向いた。
「上出来だよ、ロバート。こういったことをでっちあげた君とBB君の苦労は認めてやるよ。しっかりとしたデータを少しばかり見せてくれたら信じてやろう。」
私は笑った。
「もう少し頑張ってみます。もう行かなければならないんですが、おもてなしありがとう。夕日はとてもよかったですよ。」
チャーリーと私は握手した。
チャーリーはBBの方を向いて言った。
「BB君、また訪ねて来てくれたまえ。ロバート君が君を連れて来てくれるのを待っていることはない。」
BBは振動した。
「本当ですか?」
「いつでも気が向いた時に来なさい。次の時は調整をずらして姿をぼやかす必要もない。そうしなきゃ、わしにももっとよく君が見えるからね。」
「ところでですがね。」
私は言葉を差しはさんだ。
「次に肉体の生命に生まれ変わるとき、何になるか決まりましたか?」
チャーリーは肩をすくめた。
「まだ考えてる最中だ。別に急がんしね。」
「いいんじゃないですか、次回は選り好みしても。」
「ああ、そのつもりだ。」
私は滑らかになった。
「じゃ、元気でチャーリー。」

私たちは外の方に向かって上昇して行った。
そしてまたじきに霞の中に入ると、周りの空間の質の変化からゼロ地点を通過したことがわかった。
この地点から先は、状況が急速に変化する。
さて次は、どこに立ち寄ればいいかが問題だった。
BBは私の傍らにしっかりついて来ている。
BBは自分が受け取った中身の濃いロートを、整理しようとしているのがわかる。
BBがどんな衝撃を受けたのか、そのパーセプトを得ようとしたが、BBはあまりにぴしゃりと自分を閉じてしまっている。

でも私にはそんなにそのパーセプトを得る必要もなかった。
チャーリーはBBに強い印象を与えた。
この人間は今のところ肉体こそ持っていないが、BBが容易に関わりを持てるもう一人の人間なのだ。
下方の環体での混乱を経た後、チャーリーと言う、一見完璧でまともな人間がいた。
彼は物事のやりよう…BBにとってのゲーム?…を知っている。
それもBBにとって新しいわくわくするようなやり方でするゲームだ。
それにチャーリーはBBと同じく(?)、ユーモアのセンスを持っている生物だ。
ただ少しばかり問題がある。
チャーリーにBBについての本当のロートがあったとしても、BBのことを信じようとしないのだ。

私は十分外側の環体に入り込んだと判断して、アイデント無しに気軽な感じで停止した。
霞は前よりは薄れていて、不規則に並んだ建物が形を取り始めた。
一つ一つが大なり小なり違ったデザインで作られている建物が、適当な距離をおいて建ち並んでいる。

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建物の大部分は石造りのようであり、多くが尖塔やドームや、いろいろな形をした塔を持っている。
中には手の込んだ、丸いステンドグラスの窓が付いているものもあった。
私たちは一番近くにある建物の並びの前方に降りて行った。
すると一人の女性が正面のドアから現れ、幅の広い階段を下りて来た。


続く→

「エイリアン インタビュー」その81・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:13

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では続きです。



BBは向きを変えて一人の女性に面した。
その女性は同じ場所をスローモーションで歩いているように見えた。
中年で太り過ぎのようであり、涙が頬を伝っていた。

「ごめんね、ごめんなさいね。お母さんはあなたの元を去るつもりじゃなかったのよ。でもね、どうしようもなかったの。でもあなたの所に帰ってきますよ。あなたを助けに帰りますよ。とにかくできるだけ…どうにかしてね。可愛いあなたのところに帰りますよ。」

私は60代くらいに見える男の方を示した。
男は同じ場所を早足で行ったり来たりしている。
こぶしで自分のもう一方の手の平を叩いている。
…BBは焦点を定め直した。
「畜生め、こん畜生!何もかもうまくいって、さて楽しんでやれと思っていたところなのに。畜生!あの女め、さぞ、俺が残した金を全部使って着物を買ったり、好きなところへ旅行したりしやがるんだろうなあ。俺は仲間はずれさ。どうにかして戻らにゃならん。俺の分を手に入れなきゃならねえ。えい、こん畜生め!」

私たちは別の男の方に向きを変えた。
男の年齢は定かでなく、腰を掛けている様子だった。
宙をにらみつけ、頭をしきりに振っている…
「あいつを殴るつもりじゃなかったって、言う余裕もなかった。酔ってたんだ。酒のせいなんだよ。それだけのことなんだよ。なんてことだい
。どうしたらいいんだ、俺は…。人生の転機がもうすぐやってくるって分かっていたのに…俺にできることが何かしらあるに違いない…」

ブル-ジーンズをはいたやせた若い女の子が、私たちの目に留まった。両手を腰に当てて、挑発的な目であたりを見回している…
「チェッ!死ぬってこれだけのことなの?神様も天使もいないじゃないのよ…こういうことだってわかってたわよ。そうよ、チェッ!つまんない。」

私たちは活気ある様々な人間の形をしたものたちの周りを慎重に進んで行き、もう一人、中年の白髪交じりの男を選んだ。
男は立って腕を組み、霞の方を見ている…
「私は出来るだけのことをした。銀行には預金を残したし、家の状態もいい。保険で抵当分も片付くだろうし。ステーションワゴンの右の前輪タイヤは取り替える必要がある。ベンがホームズとの取引契約を何とかしてくれるといいんだが…私がいなくなって会社も寂しくなるだろう。レストランのルイジでもう一度、夕食をしたかった。もうあそこの様なシーフードは食べられまい…」

BBは私の方へくるりと向きを変えた。
「やつはぴしゃっと自分を閉じてしまっているね。彼の所にいけるかなあ。」
私はプライ状態になった。
「どうぞ試してみたまえ。」
BBは男の目の前に行き、男の顔めがけていくつか小さなロートを放り投げた。
BBがロートを投げるたびに、男は鼻のあたりにまとわりつくうるさいハエを手で追い払うような仕種をした。
男はそれ以外に反応を示さない。
BBはとうとう諦め、私が向きを変えて、この環状(リング)世界の霞を抜けて外の方に進むと、あとを追ってきた。
私がかつてBBのように、HTSI(人間界の時空間イリュージョン)に焦点を合わせたことがある事実は、今になると自分ながら受け入れがたかった。

その時の私のロートがあそこに残っているとすれば、奥深い部分に埋まっているはずだ。
そのロートは自分から解き放たれたと考えたいのはもちろんである。
ゼロ地点に到着する前にもう一度だけ、どこかに立ち寄ってみればそれで十分だろう。
霞がやや晴れかかった時、私は停止した。
ごつごつした岩の露出したようなところに、女が一人立っていた。
女はすぐ私たちに気が付いて、悲鳴を上げ始めた。
BBは後づさりしかけた。

女は手を振りながら私たちの方にやってきた。
「あんたたち、近くに来るんじゃないよ。この悪魔の落とし子めらが!わたしゃ罪深い人間だけれど、言っとくけどね、他の人間ほど罪は犯しちゃいない。あんたたちは私を地獄に連れて行けないよ。なんたってわたしゃ善良な女なんだからね!あんたらなんか、フロント街の売女どもを相手にしてりゃいいのさ!」
女は突然罵るのをやめ、膝まで崩れ落ちた。
頭を垂れ、すすり泣いている。
「どうか、私を地獄に連れて行かないで!お願いだから!私はただ娘と一緒にいたいだけなんですよ。娘はいい子だったから、どこかここら辺りにいるはずです。あの子は私より先に死ぬほかなかったんです。娘が地獄に落ちなかったことは分かっています…ねえ、後生だから!」
私は自分に出来ることをしてあげた。
「あなたの娘さんは善良な人間でした。あなたは静かに休息していさえすれば、娘さんが探しに来てくれますよ。彼女のことを思い浮かべなさい。静かに座って娘さんのことを思うのです。そうしたら彼女に見つけてもらえますよ。なんという名前だったのですか?」
女のすすり泣きは和らいだが、うなだれたままで、はっきりとものが考えられないのだった。
私はふっとパーセプトを得た。
「あなたの娘さんのクレーアは、じきに見つけてくれますよ。」
女はゆっくり頭を上げた。
目は驚きで見開かれていた。


(注!なるほどねえ…こうして神に救われたとか天使に助けられたと言う伝説が生じるのだろうなあ。)


私は向きを変え、BBを伴って霞を通りさらに外の方へ進んだ。
BBは私の傍らにやって来た。
「RAM君、あれは本当にすごかったじゃないか。」
私はプライ状態になった。
「初心者のまぐれ当たりってやつさ。」
BBはブランク状態になった。
「それは一体…」
「これもまた人間の使う言い回しのことだよ。おい、ついて来いよ。」

時折私の航行は、思ったようにうまくいかなかった。
やっと霞から抜け出し、すっきりした地帯に出た。
ここが私の意図した寄港地だった。
右方に紺青の海の白い波頭が規則正しく押し寄せ、岩だらけの海岸で砕けている。
頭上の空はやや薄みがかった青色で、雲一つない。
私たちの眼前には、簡単な作りの丸太小屋が立ち、その傍らには木に覆われた山が迫っていた。
ここはメイン州でもカリフォルニア州でもありえたが、そのどちらでもなかった。
どこの場所でもなかった。

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「おい、どうしてここで止まるんだい?」
BBは口を差し挟んだ。
「チャーリーと言うアイデントさ。僕の友達なんだ。彼のアイデントを試してごらんよ。」
BBは言われた通りにした。
私には何が起こっているかわかっていた。
私が感覚したこと、-海、海岸、丸太小屋、青空、そして山ーが全部BBにも突然、感知できたのだ。
BBは揺らいだ。

「地球に戻ってきたのかい?」
私は滑らかになった。
「そうじゃないよ。ここはチャーリーが創り上げたんだ。」
BBはブランク状態になった。
「チャーリーが創り上げたっていうのかい?」
「チャーリーは自分が好んだ物質界の環境を思い出すのが好きなんだ。だからそれを模倣した環境を創ったんだよ。」
「それが彼に出来るの?」
「ロートのようなものだよ。ほとんどね。」
丸太小屋の戸が開いて、チャーリーが出てきた。


(注!非物質界で、これが出来るそうです。日本でもヘミシンクをしている人たちがカフェなど作っています。興味深いねえ…)

続く→

「エイリアン インタビュー」その80・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:11







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^^^^

では続きです。


目が覚めたら朝になっていた。
体から出て、BBを助けてあげようと思ったが、私には都合の悪い時間帯だった。
その日はいつものように過ごし、時折、BBのことがちらっちらっと意識にのぼった。
今回のことは100%私に責任があったし、自分でもそのことを承知していた。
やっと夕方近くになって、リラックスするのに十分な疲労を感じたので実験室へ行き、ウォーターベッドに横になった。

ヘッドフォンをつけると、ほとんどすぐさまリラックスし始めた。
あとは簡単だった。
肉体から自分を切り離し、第二の体から転げ出た。
BBの居場所へ進み、そして止まった。
私のまん前に何者かの形があった。

「おい、RAM君、どこへ行っていたんだい?」
私は振動した。
「一体どうやってここに来たんだい?」
BBは極めて滑らかだった。
「君があの短距離のスキップをし始めたから、君のアイデントを追ってきたんだ。君があのMバンド騒音の中にいないっていうんだったら、僕だって嫌さ。ここの方がずっといい。」
「だといいけれど。」
「君の生存競争はかなりうまくいっているに違いないねえ。小屋が一つ以上あるんだから。」
私は揺らいだ。
「これは小屋じゃなくて、僕たちが仕事をするところだ。」
「君があそこにある肉体から出てくるっていうパーセプトを強く感じたのだけれど、あの肉体は君のかい?」
私は振動した。
「もちろん僕のだよ。他の人間の体には入らないよ。」
「どうしてさ。」
私は揺らいだ。
「どうしてって、そりゃあ、ルール違反だよ。」
「何のルール?」
「わからないけど、そりゃあ、あの、何だよ。つまりパーセプトによればそういうことはしないんだ。したくても僕にはできないと思うよ。」
「君が肉体から出てくるとき、ずいぶんと回転したり体をひねったりしたねえ。」


(注!この体脱の離脱方法での回転するやり方は、ブルース・モーエンの著書に詳しい。私もそのやり方に習った。体脱の時に、体育でおこなた、前転、後転、横に転がる等の方法を取ると体脱しやすい、人によるのだろうが…)


私はプライ状態になった。
「自分が体から出ていくとき、外から自分を見れるパーセプトは持たないんだよ。」
「僕らはKTー95でするゲームで、ほぼ同じようなことをする。KT-95の上方にあるシステムから出たり入ったりするんだ。それはそうと、あっちの大きな小屋の連中は何をしているんだい?」
私は振動した。
「あっちに行ったんじゃないだろうね。」
BBは滑らかになった。
「ちょっとうろついただけさ。君の注意が引けなかったもんで、何かしなきゃならなかったんだ。そこの人間の一人二人にロートを投げ与えておいた。彼らは受け取って喜んでいたぜ。何しているんだい?連中は?」


(注!おもしろいですねえ。本の初めのころに、モンロー研のボランティア探検者チームの体験談が載っていますが、その中にBBとコンタクトしたものも含まれていたってことですねえ。)


「生き延びる習性を破ろうとしているんだ…そして忘れてしまったことを思い返して、もう一度覚えなおそうとしている。そういう学校に来ているんだよ。」
「そういうことをするのに、学校に行く必要があるのかい。僕にはそんなパーセプトはないなあ。」
私は向きを変えた。
「簡単なレッスンの残りをやってしまう必要がある。BB君。」

私は伸びをして、一番下方の循環する環(リング)に向かった。
その時物質界とすれすれの位相を進んだ。
ここは荒っぽいところなのだけれど、すぐ上部の周辺に留まっていれば、私たちは無視されて邪魔されることがないことははっきりしていた。
私にとってそこへ行くのは楽しいことではなかった。
比較のため私は、今度もニューヨークの42番街と言うアイデントを使った。
ほんの短い時間で私たちはそこの通りの約15メートル上空にやってきた。
BBは私の隣にいる。

BBは滑らかになった。
「また同じところかい?何も変わりがないよ。ただ前よりもたくさんの人間でごったがえしているだけだ。」
「一番よく感知できる連中に焦点を合わせてみたまえ。」
BBは自分を開いた。
すると人間の集まりが変化していて、今度は二重写しになっている様が彼にもはっきりと見てとれたようであった。

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歩道から男が駆け出してタクシーを停め様とするが、車は彼の体を通過してしまう。
男はその場に立ち止まり、車が次々に彼の占める空間を通過するありさまに当惑している。
18歳にはなっていないと思われる長髪のやせた若者が、駐車してある車に寄りかかっている若者グループの注意を引こうとしている。
彼らはマリファナを回して吸っているのだが、この青年の姿が見えないし、彼の声も聞こえないので、注意を向けることが出来ない。
がっしりした警官が制服を身にまとい、警棒を振り回しながら店の前をぶらぶら歩いている。
自分がだれの目にも止まらないことに、彼は気が付いていない。
年齢の定かでない小綺麗なドレスを来た女性が、新聞を買うのに財布の中の小銭を探している。
彼女は歩きながら知らず知らずのうちに建物を通り過ぎている。
年のいった男が、建物の上階に上がる階段の入り口で客引きをしている二人の若い娼婦を買おうとするが、彼女たちが男の存在に気が付かないので腹を立てている。
男は別の肉体を持った男が、独りの女の顔の前に20ドル紙幣をちらつかせ、女がその男を上に連れて行くのを見ている。
その後ろを年のいった男も追う。

老女が歩道をゆっくり歩いて行って、時々通りに落ちている吸いかけの煙草を拾おうとするが、彼女の手は煙草を突き抜けてしまう。
色黒の男が強い憎しみを浮かべ、手に持ったナイフで通る人ごとに切りつけるが、誰にも傷を負わせていないことに気が付いていない。
無精ひげの年取った男が通りの向こう側のバーにいる。
男はそこの客に出された飲み物をことごとく取り上げて飲もうとしている。
次に客の背中によじ登り、次に客が飲み物を飲むときに自分も味わおうとするが、誰も彼に気が付かないので無駄な努力に終わってしまう。
私はBBの方に向いた。
「もう十分に見たかい。」
BBは強烈に揺らいだ。
「連中はどうしちゃったんだい?」
「肉体的には死んでしまっているのだけれど、自分が死んでいることに気が付いていないんだ。覚えていることと言えば、自分が生身の体を持っていたことばかりで、それにしがみついているんだよ。それしかないと連中は思っているんだ。」
「君さ、連中に別のパーセプトを与えてあげられないかい?」
私は滑らかになった。
「そういった連中はそれしかないんだ。つまり同じような連中の注意を引くことね、生き延びようと言う衝動が極端に歪められた例をパーセプトしてみたいかい?」
BBは揺らいだ。
「いいよ、連れて行ってくれ。」

BBが動揺していることはわかっていたが、彼に最後まで見てもらわなければならない。そうしてみて初めて環(リング)の外の世界をわかってもらえると私は確信していた。
私は性欲の亡者たちの山へ、アイデントを定め伸びをした。
私たちは少しばかり進みそして止まった。
目的点から約3メートルも離れていなかった。
私の隣にいるBBに焦点を定めたが、彼はブランク状態で、自分を閉じてしまった。
私は待った。
するとBBは少しばかり開いた。
私はもだえる人間の山から焦点をそらし、自分を半ば閉じた。
私にはこれが限度だった。
BBは弱々しく振動した。
「連中は一体どうしちゃったんだい!」
「肉体的には死んでしまっていて、少なくとも自分の状態が以前とは違うことはわかっているのだけれど、その事実に頓着することもないと考えているんだ。だから全く好き勝手なことをしている。」
「でもさ、何をしているというの?あんなことして…」
「生殖行為以外には興味がないんだ。自分のコピーを作るのでなくて、ただ生殖行為だけに興味があるんだ。それしか連中にはわからないし、そのことだけに関心を持っている。行為をし続けるのだけれど、決して満足を得られない。満足するには連中がかつて生きた肉体の状態にいなければならない。…彼らには今それがないんだ。」
BBはまた焦点を定めようとしたが、顔をそらせた。
「おい、行こうぜ…」
私はBBが本物のロートを得たかどうか知りたかった。
「納得したかい?」
「ああしたよ…したさ。行こう…」

私は外に向かって伸びをした。
BBが私のすぐ後ろについてくるのがはっきりわかる。
そしてゆっくり外の方へ進んだ。
私たちは静止した灰色の形状がみっちり寄り集まった中を通過した。
これらの形状はどこにいるという実感もなく、ほとんど意識もせずに何かが起こるのを待っていた。
そしてその何かは起こるのであろう。
全て前向きな形で…
ここにはMバンド騒音はほとんどない。
私は速度を緩めて、次のもっとも内側の環(リング)の中央で止まった。
私たちの周り全体に極めて人間的な形状の群れがあった。
その一つ一つがきっちりと一つの円の中にあり、(こちらからそれを識別できる)認識度も高く活発だった。
円の中にはそれぞれの形状が持つロートしかない。
BBは私を突ついた。
「どうしてここで止まるんだい?騒音はまだ強いじゃないか。」
私は自分んを開いた。
「ここには大きな違いがある。これらの連中は自分がもう肉体を持たないことを知っている。でもそれ以外はあまりわからないんだ。あそこの二人に焦点を合わせてみたまえ。パーセプトを受け取れるよ。」
BBは向きを変えて、独りの女性に面した。


続く→

「エイリアン インタビュー」その79・検証とその先へ、モンロー研究所

2017.07.20.13:09







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では続きです。



ひずみが蓄積するとどうなるか、このことに関してBBがしっかり納得するロートを与えてあげられる一つの場所へ向かった。
アイデントはニューヨーク、マンハッタンの中心部にある42番街。
私たちは少しばかり移動しただけで歩道のレベルに下りた。
夕方で、いつものように色々な人間が群がっており、お互いを押しのけたり、ぶらぶら歩いたり、どこかに急いだり、たむろしたりしている。
あたりには食べ物屋があふれ、あちこちに出来の悪いポルノ映画の看板を掲げた映画館が立ち並んでいる。
そしてここかしこに人の気を引く、いかさま商品を並べた店が軒を連ね、レコード店はステレオのボリュームをいっぱいにしてがなり立てている。
この30年変わっていない。
ただ同じものが以前より増えただけだ。
そう、これを見ればわかるだろう。
BBはお祭り騒ぎの人や車の波の真っただ中にいて、必要もないのに、人にぶち当たらないようにしたり、頭をすくめたりしていた。
私はBBを導いて、雑踏の混乱を避け、歩道の端へ連れて行った。
BBは揺らいだ。

「この人間たち、一体どこからやって来たんだい?」
「世界の4ツ角からさ。そういう風に言うんだ。世界のあらゆるところからね。多くは近くに住んでいる。」
「なぜここに来るんだい?こんなところ!」
私は滑らかになった。
「どういうパーセプトかと言うとね、ここニューヨークに来れば、欲しいものが何でも手に入るからなんだ。」
BBは振動した。
「そういわれても、僕にはまだ新しいものが感じられないよ。この中にいてもね。」
「ここはニューヨークと言うアイデントにすぎないよ。それだけのことさ。でもここの連中も一人として例外なく、さっきの森の男と同じことをしているのさ。生き延びようと努力しているわけだ。生き続けるためには何でもするんだよ。」

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BBは揺らいだ。
「僕のパーセプトは同じじゃないな。それにMバンド騒音でメタメタだよ。騒音の中にひっかくような音があるんだ。最悪だぜ。こんなの経験がないよ。いったいどこから来るんだろう?」
私は滑らかになった。
「少し自分を閉じると楽だよ。騒音は我々人間が出しているんだ。あのきりきりひっかくような音ね、やっと出所がつかめた。人間の感情なんだ。」
「感情?」
「君に感情がどういうものか、そのパーセプトを持ってもらおうとは思っていない。感情を経験するには人間じゃなきゃ無理だからね。これが生存競争の次に厄介な問題なんだよ。感情はね、人間に本当はしたくないことをさせる。」
彼は半分だけ開いて揺らいだ。
「どうしてこんな騒音を立てるんだい?」
私はプライ状態になった。
「騒音を立てていることに気が付いてないんだ。」
BBは内面に向かい、自分を閉じた。
それから少しばかり開いた。
「君も人間だろう?どうしてああいう騒音を立てないんだい?」
「立てるさ。ただ今のところは立てないようにコントロールしているだけさ。肉体に戻るとそこかしこに、騒音をまき散らしているに違いないと思うよ。」
BBは開いて、滑らかになった。
「いいさ、君に我慢が出来るんなら、僕にだってできる。それでと、この生き延びるってことだけど…」
私はゆっくり360度回転した。

「ここから少し離れたところへ行けば、生き延びるのに必要なものを12分に満たしてくれるよ。どんなものでも好きなだけ、しかもいついかなる時でもね。必要なものをアイデントすれば手に入るってわけだ。」
BBは揺らいだ。
「あの、あれ、食べるものってやつも?」
「あそこのハンバーガー屋から、少し向こうに立っているタワーでも何でもね。入っていけばもらえるよ。」
「暖かいとか涼しいとかいうやつや、あのあれ、住むための小屋や、体にまとう例のやつなんかもかい?」
「全部ここにある。」
「自分のコピーを作るってのはどう?あれ、ええと生殖ってやつさ。」
私は回転した。
「それもできると思うよ。懸命に探したらね。ここでは大抵は、あのう、自分のコピーを作らずにその行為だけをしている。」
BBはブランク状態になった。
「自分のコピーを作らないんだったら、何故生殖行為をしたいと思うんだい?」
私は揺らいだ。
「僕のパーセプトだとね、生き延びる必要性は生物の中に強く刻み込まれていて、確実に生物が子孫を残す努力をするようになっている。だから生殖行為は、あのつまりね、楽しいことになっているんだ。」


BBはまたブランク状態になった。
「楽しいだって?さっきの二人は楽しんでいる風ではなかったぜ!」
私はプライ状態になった。
「そのパーセプトが分かるには、人間でないとだめだ。ロートでもその意味を伝えることは出来ない。とにかく、そういった生存欲も好きなだけ満足させることが出来るさ。」

BBはキラキラ輝いた。
「それじゃ、どうしてこんなに混乱しているんだい?これですべてコントロールされているっていうのかい?人間は必要なものを手に入れる。必要なものは充分にあるし、一人一人の人間がそれを吸い取ってまた元来たところに戻っていくっていうのかい?」
私は内に向かい閉じた。
これは彼にとってではなく、私自身にとって、厳しいレッスンになり始めていた。
効き目がないだろうことはかなりはっきりしていたし、実際に効き目がなかった。
人間全体がただ生き延びるためだけに、目が覚めている時間のほとんどを何らかの形で、仕事に費やさねばならぬ事実を、BBにどうやって伝えたらよいのだろうか。
そしてまた人間は同じものを欲しがり、それを得るためにはお互いを殺し合い、生き延びることに熱中しすぎて必要なものを充分に得ても、止むことを知らないと言う事実、人間が国家と言う名前の大きなクラブを結成し、自分たちの生存を脅かす他の国々を破壊しようとする事実、そして彼らの思考も行為も、生き延びるということで頭が一杯で、肉体を持った生身の人間以外の存在など全く忘れてしまうという事実…

「RAM君、君はまた漏れてるよ。」
BBが口を差し挟んだ。
「君の考えている事はその通りだ。僕には何のことかさっぱりわからない。この仕事ってのはどういうことだい?それに人間はお互い殺し合って、殺した方を食べるっていうのかい?忘れる、ってどういう意味なんだい?」
私は自分に出来る範囲で説明した。
「仕事と言うのはね、人間がお金を稼ぐためのもので、あのう、つまり、人に払うエネルギーのことだ。ええと、他の人間に与えて、自分の生存欲を満たすために必要なものをもらうためのエネルギーを得るためにすること、それが仕事だよ。」
「お金のエネルギーかい。きわめて強力なものなんだろうなあ。僕にはそのアイデントがない。」
「君にはないさ。人間だけにあるものだし、厳密に言うと、物質的な次元のことだよ。物理的な地球でしか効果を持たないし、自分とそれ以外の人間にしか効用がない。もっとひどいことに、人間のグループ一つ一つ、つまり国家一つ一つにしか…」
「大きなクラブってやつだね…KT-95にはゲームのクラブがあるよ。」
「そう、ここでは人間の大きなクラブなんだ。それぞれのクラブに特有のお金のエネルギーがあって、お金を交換するんだ。」

BBは滑らかになった。
「つまり僕が鹿を食べたいと思ったり、住む小屋が欲しいと思ったり、身を覆うものが欲しかったり、そういったものを手に入れるためにお金のエネルギーをあげなければいけないんだね。」
「仕事をし、支払い、手に入れる、というわけ。」
BBは通りを過ぎる車に焦点を向けた。
「この覆いはどうだい?これもお金のエネルギーで手に入るのかい?」
「そう、お金のエネルギーさえあれば手に入る。」
「僕にはごちゃごちゃしすぎている。」
BBは完全に滑らかになった。
「もし人間にならなければならないとしたら、僕はこんなゴタゴタしたことは避けて、ただ自分のコピーを作るだけにしているね。その方がいいよ…何がそんなにおかしいんだい?」
私はおかしくておかしくて、自分を閉ざしていられなかった。
BBはブランク状態になった。
「自分のコピーを作るにも、お金のエネルギーが必要なのかい?」
私はプライ状態になった。
「何らかの形でね。」

突然、私は肉体に戻る緊急信号を非常にはっきりと感じた。
私は帰還信号に抵抗しようとし、また同時にBBの注意をこちらに向けさせようとした。
私は戻らなければならないのだが、BBをここに置き去りにはできない。
彼はここからどうやって脱出したらいいのかわからないのだ…
しかし帰還信号はあまりに強く、私にはどうすることもできなかった。
私は徐々にその場から離れ、初めは抵抗していたのでゆっくりだったが、やがてスピードを増した。
戻って何が問題なのか見定め、それからできるだけ早くBBの所へ戻ろうと決心したからだ。
第二の体に戻り、すばやくその中に滑り込み、次に肉体に戻った。
私はベッドの上に起きて、あたりを見回した。
すべて平常のようだ。
尿意を催しているのでもないし、血の巡りが悪くなって、手や足がピリピリしびれているのでもなかった。
痛みもどこにも感じない。
何か外的な要因に違いない。
電話が鳴ったとか、家の上をジェット機が通過したとか…とにかく重大なことではなかった。
私はすぐさまBBのことを思い起こし、42番街とブロードウェイ通りの交差点の道で、まごまごして立っている彼の姿を思い浮かべた。
体外に離脱してBBの所に行こうと、すばやくリラックスできるステップをたどったが、あまりにも緊張しすぎていて、必要なステップがこなせなかった。
6回目くらいで眠ってしまったのである。

目が覚めたら、朝になっていた。


続く→



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