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「エイリアンインタビュー」その164・検証とその先へ、モンロー研究所(その先へ・臨死体験)

2018.09.27.21:40

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164です。

第18章   新しい方向


なすべきことがわかったところで、さらに疑問が湧いてきた。
私の経験してきたことを、どのようにまとめたら、他の人たちの理解が得られ、実行に移してもらえるだろうか?
それだけではない。
私が長年かかって経験してきたことを、どうしたら、実際的かつ適当と考えられる時間の枠内に凝縮することができるのだろう?
試行錯誤を重ねているわけにはいかなかった。
いま取り組もうとしているのは、文字通り、生死に関わる問題なのだから。
はじめから、可能な限り適切なものを用意しなくてはならない。
それに、私個人の身の回りに起こってきていることからしても、時間があまりないことは明らかだった。

しかし、私は幸運だった。
いや、単なる幸運というより、30年以上も前に、人間の意識に関する研究を始めたときに、すでに定まっていた計画が、いまになって完結したと言うべきかもしれない。
と言うのも私は、研究所のこれまでの蓄積を自由に利用することが出来たからだ。
研究所が長年にわたって示してきたのは、人々を生死の間にある境界まで導いていくことは可能だということであり、さらに、少なくとも一部の者にはその彼方を垣間見せることが出来る、ということだった。
その手法は安全であり、体験者はあらゆる点で、大きな利益をこうむるということが、疑問の余地なく立証されていた。

私の左脳は、二つの必要性を訴えた。
一つは、どんな周波数の脳波を音に変換して使えば、個人の精神、意識が境界を越えてゆき、目的を果たして無事に戻ってこられるように出来るのか研究すること。
もう一つは、肉体を去った人たちへの奉仕に関心を覚えるようなあらゆる人々に適する、効果的なプログラムを考案することだった。
というわけで、とくに親しい同僚たちと共に、私は仕事に取り掛かった。
一番簡単だったのは、プログラムに名前を付けることだった。
それは、ライフライン(命綱)と名付けられた。

第一回のライフラインプログラムは、1991年6月22日からの一週間、研究所で行われた。
それから14か月の間に、2百人余りが6日間の集中学習コースに参加した。
参加者は、医者、心理学者、エンジニア、研究者、管理職のビジネスマン、精神科医、作家、弁護士、教育関係者、セラピスト、音楽家、アーティストなど。
全員が、以前研究所の行ったプログラムを少なくとも一つは修了していたが、それはライフラインの参加者に課された必須条件だったからだ。
そのことを別にし、経験している意識の探求もそれぞれ異なっていた。
しかしそれでも、プログラムの終了までには、ほぼ全員が「レセプションセンター」すなわち、「公園」に行けると証言したのだ。
また多くの者が、死後の生を確信するようになったことを認めた。

(注!この公園ね…実は私も行っています…そこで誰かと待ち合わせをしていました。会ったのが誰であったのかは覚えていません。男性の後ろ姿でした。もしかすると先に亡くなった父や、祖父だったかもしれません。)

この結果には全く驚かされた。
このプロセスを教えることが出来るのが可能なのは明らかだった。
第一回のセッションの時には、報告された現象は、そのグループだけの特殊な例かも知れないと考えた。
第二回のセッションの報告も、やはり偶然かも知れないと思った。
しかし第3回目ともなると、実際これは有望かもしれないと思えてきた。
さらに十回もセッションを重ねると、疑いようもなくなった。
私たちの試みは、達成可能と分かったのだ。

ライフラインは、参加者個人がどんな信念、信仰を持っていても効果が得られるように作られており、経験によって直接、知識を体得できるようになっている。
これはあくまでも、「知る」ためのシステムであって、参加者の持っている信念、信仰がおのずと否定されてしまうようなことはない。
ニヒリズムだけは別かもしれないが。
このプログラムには目的がある。
その目的とは…

〇肉体の死にまつわるすべての恐怖を消し去ること。
〇異なる意識状態になじみ、そうした意識状態を、単なる信念ではなく「既知」のものとすること。
〇他の意識状態で活動している他の人間精神と、さらに交流し関係を深めること。
〇意識的、無意識的に得た知識を、肉体での思考や働きや活動と結びつけること。
〇肉体の生の終焉に備え、それがどんな形で訪れようとも、これほどの知識を得た人間の精神、意識は、何の障害もなく別の存在形式に移行するのだと確信すること。

これらの目的を達成するために、研究所で長年、開発、改良を重ねてきた手法とテクニックを発展させ、応用して用いることになった。
そうした手法、テクニックの極めつけが、「フォーカスレベル」と言う用語を使って、特定の意識状態を手軽にわかりやすく表示することだった。
それまでにプログラムは、参加者をフォーカス3(精神が脳と同調している状態からはじめて、フォーカス12(意識の拡張した状態)、フォーカス15(無時間の状態)、さらにフォーカス21(他のエネルギー系への接触が可能になる時空の縁)まで、導くことに成功していた。

(注!ここで語られているフォーカス21までを体験するコースが、初心者が受けるゲートウェイエクスペリエンスである。これを受けた感想は、以前に書いたとおりである。)

しかしプログラムの主旨である、死んだ人々への奉仕を行っていくためには、さらに先まで進まなくてはならない。
参加者のために、21レベルより先の意識状態も、似たような形で定義してやる必要があった。
参加者がそのレベルまで達し、そこでも落ち着いて客観的に活動できるようになることが望まれたからだ。
定義は以下の通りである。

フォーカス22
肉体として存在している人間も、このレベルでは断片的な意識しか持たない。
この意識状態には、薬物やアルコール依存による意識錯乱や、痴呆症が含まれる。
また、麻酔薬や昏睡状態の患者もここに入る。
この状態での体験は通常、夢や妄想ととらえられる。

フォーカス23
肉体を去ったばかりで、死を認識できず受け入れられなかったり、地球の生命系にしばられて自由になれないでいる人たちが、このレベルに存在する。
すべての時代の死者たちが含まれる。

フォーカス24~26
信念体系領域はここに存在する。様々な前提や概念を信じる、あらゆる地域の人間たちが、肉体を離れるとここに来る。
何らかの形で死後の生の存在を仮定する宗教や哲学も、この領域に含まれるだろう。

フォーカス27
中枢ともいうべき「レセプションセンター」あるいは「公園」と呼ばれる場所が、ここにあたる。
人間の精神が創り出した人工的な場所であり、肉体を失うことによって精神が受ける傷やショックを癒すために設けられた中継地点である。
多種多様な人々を受け入れるために、様々なこの世での環境が再現される。

フォーカス28
時空だけでなく、人間の思考を超えたレベルである。
28や、その先まで行っている者は、人間としての肉体に戻っては来ない。

ライフラインの訓練を受けている人たちは、これらの異なる意識状態に慣れ親しむようになる。
また各自が、好きな時に戻っていける自分だけの特別な場所を、フォーカス27の中に創るように勧められる。
そうした場所は参加者の多様性を反映して、それぞれに実にユニークである。
それはたとえば、静かな川辺の丸太小屋だったり、木立の中だったり、南洋の島々、水晶の宮殿から、「心の片隅」に至るまで、さまざまだ。

フォーカス27にある自分の場所に戻るには、個人的な識別信号、すなわち自分で選んで作り、その場所に刻みこむ印や記号の助けを借りることになる。
それは反響を利用した誘導装置のように、戻る道を示してくれるのだ。
参加者は、フォーカスレベルになれてしまうと、肉体を失い、助けを必要としている人たちを援助するための助言を受け入れることになる。
少しづつフォーカス27のフェーズに入っていき、そこでまず、自分自身のための援助と道案内を請うことが出来る。
それからフォーカス23に引き返すのだが、しばしば、案内や援助をしてくれるものと一緒に行くことになる。
フォーカス23では、助けなしには先に進めないでいる人のところに引き寄せられる。
それは、自分の肉体的な死を認めない人だったり、何か理由があって、肉体への執着を捨てきれない人だったりする。
参加者はそういう人とコミュニケーションをはかり、解放されて先へ進むようにと促す。
それがうまくいけば、うまくいくことが多いのだが、二人は連れ立って案内役ともども、フォーカス27を目指すことになるのだ。

その途中で滑り落ちて、フォーカス24から26までに位置する信念体系領域に入って行ってしまう人もいる。
そこには、信仰、信条を同じくする者たちがいて、歓迎してくれるからだ。
しかし、フォーカス27の「レセプションセンター」までついてくる人もいる。
そこでは、肉体の生を終えた愛する人たちが迎えてくれたりするのだ。
この段階まで来た人には、さらなる成長を目指して、次にどんな一歩を踏み出したらいいのか、相談する機会が与えられる。
その次なる一歩に関しては、いくつもの選択肢がある。
その選択肢を挙げると…

〇先に生死の境を超えていた、愛するものと再会すること。
〇まだ肉体的に生きているものと交流すること。
〇原初の自分(IT)との接触を取り戻し、そこに回帰すること。
〇もう一度、別の人生を送るために、「この世」へ戻ること。
〇同じ信念を持つ者たちに出会い、議論すること。これによって、その信念体系領域へ入っていくことになるかもしれない。
〇一時的に「救出活動」に携わること。
〇別の場所で、この宇宙のどこかで、別の、人間以外の生命形態をとって、生きてみること。
〇意識連続体に属する、別のフェーズを研究し、探索すること。

これらの選択肢のうちどれを選ぶかが決まれば、その人は、選んだとおりに自由に進んで行くことが出来る。
このプロセスについて、言及しておかなくてはならない点がある。

私達はライフラインの参加者に、自分の救助する相手から得られる限りの情報を引き出すように求めるということだ。
つまり名前や年齢、住所、出身地、死亡日時と死因、交通事故、病気、天災、戦争など、また職業等重要と思われる事項なら何でも調べるのである。
コミュニケーションは一般に、非言語的な手段で行われる。
とくに、ロート、思考の玉によることが多い。

首尾よく完全な情報が得られたときには、あとで研究所の「ライフラインリサーチ部」に伝えることになっている。
その情報に関する確認作業を行うためだ。
これまでのところ、検討に値する情報が得られたという実績はほとんどない。
というのも、救出の最中に、このような堅苦しい質問を相手に投げかけるのは難しいことが多いのだ。
しかし、はっきりと確認できる情報も少しなら得られている。
同じ名前の人物が、何歳の時、どこでどうして死んだのか、確認するのだ。
だが、参加者のほとんどは、そんなことはどうでもいいと考える。
プロセスの現実性を確信しきっているので、そんな確認作業には興味がわかないのだ。
しかし、研究所にとっては重要な問題だ。
もっとも、いずれ20か30の実例が確認されれば、それ以上の実例探しはほとんど必要なくなるはずだが。

ライフラインプログラムの参加者は、フォーカス23で、死んでから間もない身内や友人に出会うことがある。
しかも、お互いに相手を確認できるのだ。
そうなると、感じ方が大いに変わってくる。
見知らぬ人ばかりの部屋に入っていくのと、部屋に入ってみたら思いがけなく兄弟や姉妹がいたというのでは、全然気分が違うようなものだ。
相手を知っていたらすぐにわかるし、交流に伴ってエネルギーが励起される。
参加者はまた、会ったこともない人に引き付けられることも多い。
異なる文化、異なる時代に属する、あらゆる年代、人種、信条の人たちだ。

しかし多くの参加者が驚くのは、他人の救出に関わりながら、実は失われていた自分自身の一部も同時に救出していたのだと気づく時だ。
フォーカス23にとどまっていた前世の自分が現れることもある。
また、フォーカス24から26にある信念体系領域に浸っていた自分が、次第に疑いを覚えるようになり、いわば、「割れ目から滑り落ちる」ようにして、その信念体系から抜け出てくることもある。
さらにまた、現世の自分の人格の断片、すなわち核自我から分離した、分離させられた側面が現れることもある。
たとえば、家庭内で肉体的、精神的な虐待を受けて、心の傷を負った子供時代の自己が、その苦しみから解放されて、再び他の自分と合流しようとする、といった類だ。

フォーカス27で請うことのできる「案内」というものは、参加者の報告によれば、様々な形をとって現れるらしい。
それは、外的なものに見えたり、内的に感じられたりする。
全ての経験を通じて一貫しているかと思えば、時に応じて変化することもある。
報告にあらわれてくる例を挙げれば、「光を放つ白いもの」「サム」と言う名の人、実は有名な映画スターだというフードをかぶった人物、子犬、青い色、人間の手、「ここにいるよ」と言う人々の声。といった具合だ。
参加者の中には、そういう案内をどうしても自分自身と分けて考えることができない、と言うものもいる。
ある報告を引用すれば、つまり「案内役と私は一体だ」ということだ。


続く→
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「エイリアン インタビュー」その163・検証とその先へ、モンロー研究所 (その先へ・臨死体験)

2018.09.15.20:51

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163です。

次に焦点を定めたのは、ディックに出会った場所だった。
ディックは優秀な医者で、若いころニューヨークで付き合っていた友人だった。
死後に出会った彼は、広い部屋で数人の男たちと深い議論を交わしているさなかで、こちらに気づいたしるしに、ただ手を振ってよこしたのだ。
歳は死んだときの、半分くらいの若さに見えた。

私は、あのときの大きな部屋に、簡単にたどり着くことができた。
驚いたことに、そこは無人ではなかった。
ビジネススーツを着た、いかにも普通の男性が二人、テーブルの脇で気軽な話をしていた。
私は用心しながら近づいて行った。

「すみませんが、ディックゴードンのことを、何かご存知じゃありませんか?」
二人は振り返り、目を丸くして私を見つめた。
背の高い方が口を開いた。
「申し訳ない、誰かが来るとは思っていなかったもので。お座りになりますか?お疲れでは?」
「いや、大丈夫です。私はただ…」

「待てよ。ジョージ」
もう一人が遮った。
「この人は違うぞ。見ろよ!」
二人はよくよく私を検分した。
ジョージが首を横に振る。
「あなたはまだ、生きている肉体を持っているのですか?」
私は躊躇した。
「はあ、まあ、そうなんです。でも…」
「それに、夢を見ているんじゃないってこともわかっている。」
「ええ、そうです。私は今…」

「すごい!」
ジョージは手を伸ばして私の手を握り、強く振った。
「あなたのような人のことは、話に聞いていたけれど、会うのは初めてですよ!どうだい、フレッド?」

「しかし、ここはいったい何なのですか?」
答えたのはフレッドだった。
「ある人たちが、死後やって来る場所だよ。時には、いくらか手助けが必要だけど。たいていは、こんな場所があるなんて知らないんだから。」
「どんな人たちが?」
「医者の類だよ。内科医、外科医、その他もろもろ。」
「なぜ、ここに来るんですか?」
「大きな変化のあとで、落ち着きを取り戻すためです。」
ジョージが説明してくれた。
「特に医者ってものは、患者を生かすことにかかりきりになってきたわけだから、ショックも大きいんですよ。でもなじみ深い環境の中なら、すぐに回復する。ご覧なさい。」

言われて気づいたが、私がいるのは典型的な医者のオフィスだった。
椅子とコーヒーテーブルがあり、古い雑誌の積み上げてある待合室だ。
ガラスの窓越しに、看護婦のデスクとファイルキャビネットが見える。
開け放ったドアの向こうには、机と椅子のある部屋、さらにその奥には、診察台や秤や他の器具のある部屋が見えていた。

私は二人の方に向き直った。
「誰がここを作ったんです?あなたたちですか?」
「わからない。」とフレッドが答えた。
「僕らが来た時には、もうあったからね。これはただ、医者の心を変化に適応させるために創られた作品なんだ。とてもなじみ深い。だから役に立つんだがね。」
「ここにいるのは、あなた方だけですか。」
「少なくとも、数百人はいるよ。人を迎え入れるエリアだけでもね。ここにとどまって、手助けをする係なんだ。四六時中、出たり入ったりしている。」

私はジョージの方を見た。
「あなたは、どうやってここに来たんですか?」
「ああ、(公園)に座っていたら、このフレッドがやって来て横に座ったんですよ。それで…どうしました?大丈夫ですか?」

ジョージは、私の顔に浮かんだ表情を見たに違いない。
記憶が波のように、私の心に押し寄せてきたのだった。
(公園)だって!
何年も前に、その(公園)に行ったことがある。
しかしなぜ、どのようにして、そこに行ったのかは思い出せない。
10人かそこらの男女が私を迎え、優しく声をかけてくれて、私がどこにいるのか説明してくれた。
あれは、肉体の死による心の傷をいやす場所だったのだ‥
休憩して、次にするべきことを考えるための中継地点だったのだ。
あの(公園)だ!
やっとのことで、口がきけるようになった。

「大丈夫です。教えて下さい…その(公園)はどこにあるのですか?」
答えてくれたのはフレッドだった。
私を見つめる表情は穏やかだった。
「それがあなたの探していたものなんだね?」
「わからない。でも、そうだと思うんです。」
フレッドは後ろにあるドアを示した。
「外に出て、左に曲がって、道なりに森を抜けて行くんだ。遠くはないよ。」

感謝の気持ちがあふれてきた。
「ありがとう‥二人ともありがとう。また会うかも知れませんね。私は医者じゃないけれど。」
ジョージは、私の肩をたたいた。
「機会があったら、またいらっしゃい。一人で寂しくしている医者に出会ったら、一緒に連れてきてくださいよ。」

私は外に出て、左に曲がった。
確かに森があって、大体は種類のわかる高い木々が茂っている。
小道は木々の合間を縫って続いており、私はそれをたどって行った。
先を急ぎたい気持ちはやまやまだったが、走らず歩いていくことにした。
足の裏に踏みしめる木の葉と草の感触が、なんとも心地よかった。
私は素足だった!

歩いていくと、そよ風が頭と胸を撫でて吹き抜けた。
感じる!
素足の感覚があるのと同じように、風も感じ取れるのだ。
道の左右にはオーク、ポプラ、ヒッコリー、プラタナス、栗、松、杉の木、さらには場違いなヤシの木や、私が存在すら知らなかった木まで生えていた。
花の香りが、芳醇な土の臭いと混じりあって、えも言われぬ素晴らしさだ。
匂いも感じられるのだ!

そして鳥たち…半分は見たこともない種類だ!
歌い、さえずり、呼び交わし、木から木へ飛び回っては、すいすいと道を横切る。
何百羽もいる。
そうだ、音も聞こえる!

私は驚嘆して、歩調をゆるめた。
手…そうだ、また肉体の手だ。
その手を伸ばして、かえでの低い枝から葉を一枚摘み取った。
生き生きとしてしなやかな感触。
口に入れて噛んでみる。
汁気があって、まさに子供時代に味わったかえでの葉そのものだった。

不意に私は、何が起こったのか悟った。
恐らく…今も起こり続けていることだ。
これは、人類の創造なのだ!
この道を歩いた大勢の人たちが、自分の好きな鳥や木々を創り出して、この森に付け加えてきたのだ。
この森は生きている‥生命ある創造物だ、人間に創造された被造物なのだ!
これは、地球の生命系での通常の繁殖の形をとってはいない。
地球の生命系は、人間に創造されたわけではなく、「他の何者か」の着想と計画によるものなのだが。

私がこの探求で目にしてきたものは、みな同じように、人間の精神、意識の生み出した創造物だったのだ。
医者の天国も、アグニューの道具も、父の療養室も、チャーリーの海辺の小屋も、そうだ、思いだした。
かつてチャーリーは、あれをどうやって作ったか、見せてくれたじゃないか!
何もかも、人間の創り出したものなのだ!
「基本」だ!

私達を創った創造主の存在は知っているけれど、実は私達はみな、同じ型から生まれた創造者なのか?
これまで何気なく考えてきた私の核自我とは、「原型」からとられた小さな複製、クローンのようなものなのか?
一部しか表現できないこの発想を、私達は、どこまで受け止めきれるだろう?

現実性を立証しようとでもいうように、大きなオレンジ色のオウムが私の肩に飛んできて、さえずり、そして手の中に白い落とし物を残して飛び去った。
私は笑いながら、親指と人差し指で、その温もりと粘り気を確かめた。
まったく、本物だ!
歩き続けながら、この森にはどれくらい人間の創造した動物の友がいるのだろうと考える。
そのとき、道が曲がって、木立が途絶えた。
目の前に、公園が広がっていた。

ずっと昔に訪れたときと変わっていない。
うねるように続く歩道、ベンチ、花々と植え込み、色の違う芝生、堂々とした木立、小川と噴水、頭上には小さな積雲に囲まれた暖かな太陽。
ゆるやかな起伏が見渡す限り続いている。
スロープを下り、一番近いベンチに向かって歩いて行きながら、どんな人間の精神、あるいは人間たちがここを創ったのだろう、と思いをめぐらせた。
いやしき人間の創ったものとは思えない壮麗さだ。
だがそれでも、ここはそのようにして生まれたのに違いない。
昔ここを訪れたときには、そんなことは思っても見なかった。
そうだ‥思い出したぞ…わかったぞ!
何故ここだったのか。

私が近づいて行くと、一人の女性がベンチから立ち上がった。
中背ですらりとした肢体に、褐色の大きな瞳、緩やかに波打つ、肩にかかるダークブラウンの髪。
なめらかでいくらか日焼けした顔は、東洋風でもあり、中東風でもあり、ヨーロッパ風にも見えた。
黒っぽいスラックスに、腰を覆う丈のジャケットと言ういで立ち、年齢は、35歳から50歳くらいの間で何歳ともとれる。
親しみを感じる女性だ。
…前にどこかで会ったことがある。

「とうとう来たわね!お帰りなさい、アシャニーン。」
アシャニーン…私の名前だ、別の生を生きていたときの名前だ。
それだけで、この女性のことが随分わかる。
手を握ると、本物らしい感触があった。
女性は私をベンチのことろへ誘い、私たちは腰をおろした。
他にも歩いている人たちがいた。
皆大人で、様々な服装をしている。
私たちを興味深げに見る者もあった‥なぜだろうと思ったが、どうやら私とその人たちとでは、私には感じとれない外見の違いがあるらしい。

女性の目を見ると、また微笑みが返ってきた。
記憶の片鱗が立ち戻ってくる。
「君の来ている上着は‥」
「あなたがこの前ここに来た時も、これを着ていたわ。思い出す手助けになるかと思ったのよ。」
私は頷いたが、記憶はまだ朧気だった。
前に来た時に会った、10人くらいの人たちのうちの一人であることは確かのようだ。
女性を見ると、また微笑んでいる。
私の心を読めるのか?

「もちろん読めるわ。あなたも私の心を読めるでしょう。」
「君は誰なんだい?」
「私はただのメッセンジャーよ。肉体的に死んだばかりの人たちを、ぜひともここに連れてくるようにと、あなたに伝えるのが役目。そういう人たちを、私達がお世話できるようにね。それが私達の働きだから。このことを、他の人にも教えて欲しいの。」
「そんな奇妙なことを、どうして教えられると思う?」
「あなたなら出来るわ。すでに始めている人も随分いると思う。あなたはそういう人たちが、思いだす手助けをするだけでいいのよ。そうすれば、全く客観的に、肉体の死の恐怖を取り除くことができるのだから。」

「そうして死後も生き延びるということを教えるんだね。」
「その通りよ。」
「そうしたら、実はたくさんの選択肢があるということにも、気づいてもらえるな。」
「あなたも気づいていない選択肢だってあるのよ、アシャニーン。それとも、ロバートって呼んだ方がいいかしら?」
「ロバートかボブにして欲しいな。肉体での友達はボブと呼ぶんだ。アシャニーンなんて名前を聞いたら混乱するだろうから。」
「その古い名前のあなたを知っているお友達もいるんじゃないの。」
「そうじゃないかと言う気はしてきているよ。ところで、君の名前を思い出そうとしているんだが。君は‥奥さんだ‥イレオンの…そうだ、イレオンの奥さんだな!」
「連れ合いと言った方がいいわね。」
「君の名前は…ネヴィセだった。」
「よくできました。」

「じゃあ、少し教えてくれないか。私の訪ねた、あの友人たちのいた場所…あれは、ここの延長に過ぎないのか?」
「そうよ。でも、強い信念を持っっている人は、その力に促されて、信念の導くところに行くことになる。同じ信念を持つ人たちが待っていて、彼らを助けるのよ。それはそれで、好きにさせてあげればいいの。そこが、その人が属する場所なのだから。」
「でも、これはみな…これは、信念の一つじゃないんだろう?」
ネヴィセは笑った。

「普通の意味ではね。信念は関係ないのよ。大事なのは経験だけ。ここはただ、不安を和らげるような、なじみ深い環境を提供するだけのために創られているんだから。」
「この場所は、じゃあ…?」
「あなたが何を考えようが信じようがおかまいなく、ここに存在するし、存在し続けるでしょうね。その存在を信じなくたって、消えてしまいはしないのよ。」
「誰が創ったんだい?」
「何千年も前の、人類の文明よ。その人々は、はるか昔にいなくなってしまったけれどね。ほかにもまだ、知りたいことはある?」
「私の言葉でいうところの、いわゆる自分のITに帰りたいと…帰らなくてはと…ただただ願っている人たちについては、どうなんだい?私の言いたいことはわかるだろう?」
「ええ、わかるわ。ここを立ち去る人たちは、たいていそれを目指していくのよ。」
「じゃ君たちは、我々がここに連れてくる人たちを落ち着かせて、次に何をしたいのか考える機会を与えるってわけだ。」
「その通りよ。どういう可能性があるのか、教えてあげるの。公園は、出発点に過ぎないから。住人たちが創り出した小さな場所を全部見たら、きっとびっくりするわよ。」
「何か決まりはあるのかい?」
「一つだけね。あるものに当てはまることは、別のものに当てはまらないってこと。」

「いろいろありがとう。私には、たくさんやることがありそうだな。」
「思ったより簡単に出来るはずよ、ボブ。」
「この知識…この場所について…死んだら来ることになる、この場所について知ったら、どこでまた会えるのか知ったら…究極の自由が得られるな!」
「そうね。‥帰還信号が来たんじゃないの?」
「ああ、ここには学ぶべきことがまだまだある‥でも、行かなくちゃ。もう一つだけ質問があるんだけれど…」
「聞く必要はないわ。創造のプロセスは、人間である私たちにとって、すでに既知のものよ。その成果は、もう見てきたでしょう。だからあなたのお父様は、実際にご自分の部屋を創れたのよ。」
「聞く必要はなかったな。タ・ナ・セン!」
「思い出したのね。10万年以上前の、さよならの挨拶。タ・ナ・セン!」

いともたやすく、無事に帰還することが出来た。
まったくやるべきことが山ほどある。


続く→


(注!みなさまは、どうでしょう…?ちょっと衝撃を受けられたかもしれませんね。
そして、微かに、公園の記憶がよみがえる方もいたかもしれません。
どうであれ、信念体系に行ってしまわなければ…このみんなが集まり、助けを得られ、次にどうするかじっくり考える場所であるこの公園に、誰もが、行くとこが出来るわけですね。
これを読んだ時点で、IS・BEとしての記憶の奥にしまい込まれます。
万一、急な事故で死んだとしても、必ず救援者はやってくるし、私達が心を落ち着けて、次を考え、また先に行ったものと落ち合うことのできる場所がちゃんんとある‥
と言う知識は、なんとも心強い‥と言えるのではないでしょうか。)

(注!もう一つ、ここに書かれていることを真実と仮定した話ですが‥人間の文明の歴史では、10万年以上前のホモサピエンスは、ほぼ石器時代で、文明はなかったと思われています。とすると、人類の文化というものは、実際どうだったんでしょう?興味深いですね…)


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