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古代の洞窟・チベット少年の不思議な物語17

2018.12.30.10:39

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「私は師がさらに高く登ったかどうかを確かめようとして後ずさりをした。」と、我が師は話を続けた。

「しかし彼からは何の合図もなく、恐る恐ると割れ目を覗いて見たが、それは墓の中の様に暗かった。それから少しづつ私は腰を曲げながら、その中に入って行った。4、5メートル入った地点で、鋭く曲がった角に突き当たり、さらにもう一つ、そしてもう一つ角を曲がったが、その時私は驚きのために動けなくはならなかったものの、まさに悲鳴をあげる寸前だった。そこは最も明るい月光よりもさらに輝いた柔らかな銀色の灯りがあったのである。私はこのような光を今まで見たことがなかった。私が今見ている洞窟は、空の暗さの中では見えない屋根を持った広々としたものであった。仲間の一人は私を押し退けたが、逆に彼はもう一人から押し退けられた。しばらく我々4人は黙って立ち竦み、自分たちの前の幻想的な光景を見つめて、ただ驚くばかりであった。その光景が、我々の誰もが自分の感覚を失わせるほど考えさせるものであったからだ。そしてこの洞窟は、あたかも山全体が穴であったかのように、ずっと奥まで伸びており、その光は屋根の隙間から垂れ下がっているらしい多くの球から、我々を照射していた。なおその上に、我々が想像もできなかった奇妙な機械が、その広場を占めており、高い屋根からも機械や装置が垂れ下がっていた。また非常に驚いたことには、そのいくつかが最高に明るいガラスのようなもので覆われていたことだ。」

私の目は驚きで丸くなり、ラマは話を始める前に、私を見て微笑んだ。
「それまで我々は師のことを忘れていたが、その時急に師が現れたので、我々は驚いて飛び上がった。彼は我々の凝視と打ちひしがれた顔を見て笑った。今や彼は奇妙な圧倒されるような束縛に囚われた姿では無かったのである。それから我々は一緒に不思議な機械類の周りを歩き回った。しかし我々にとってそれらは何の意味も持たず、ただのエキゾチックな形をした金属の集まりに過ぎなかっった。私の師は、大きな黒い板の方に進んだが、それは明らかに洞窟の壁の一つに作りつけられたものであった。そして彼がまさにその魔法の面に触ろうとした時、それは大きく揺れて広がった。それまで我々はこの場所の全てが魔法にかけられているか、あるいは我々が幻覚に陥っているのか、と信じるしか仕方がないような状態になっていたのだ。私の師は、何らかの警告によって飛び退った。我々の仲間の非常に大胆な一人が素早く手を伸ばした所、板は再び揺れて広がり、抵抗しがたい力が我々を前に押し出して行った。このように全て手段を尽くして戦ったにもかかわらず、我々はともかく、その板の扉を通って、中に入れられてしまったのであった。なかは暗かった。隠者の部屋の暗さにも匹敵する暗さだった。そしてさらに抵抗しがたい強制によって、我々は数メートル進んで床の上に座らされた。数分間、我々は驚きで震えていたが、何も起こりそうも無かったので、いくらか平静を取り戻した。その時、ちょうど金属が叩かれ、削られるような一連のキーキーという音が聞こえたのだ。」
思わず私は震え上がった。
私は驚きで死んでしまう思いだったが、師はさらに続けた。

「かすかに霧のかかったような光が、我々の前の暗闇の中にゆっくりと現れた。最初それは、ちょうど幽霊が目の前で物質化した時のような青みがかったピンク色の光をやっと感じる程度だったが、次第に中央の光源が広がって行き、我々は自分たちの座っている部屋の中央部分を除けば、大きな部屋をいっぱいにしているこの信じがたい機械類の、全貌を見ることができるようになった。光はそれらを照射し、旋回し、しぼみ、そしてまた明るくなって形をなし、球状となった。私は未来永劫にゆっくりと音を立てながら動いている年月を経た機械類に対して、奇妙な名状しがたい印相を受けた。そのとき我々5人は、文字通り呪縛にかかって一団になっており、ちょうど発狂したテレパシーを行うラマがやるように、私の頭脳の中で何かが調べ回っていたが、その時になって初めて、ものが言えるくらいにはっきりとしてきたのだ。」

師は咳払いをして、飲み物を取ろうと手をあげた。
「お茶を飲もうか、ロブサン。」と彼は言って、銀の鈴を鳴らすと、付き添い僧は予期していた通りお茶とお菓子を持ってきた。
ラマ、ミンギャールドンタップの話は続いた。
「その光の球の中には絵が見えたが、最初は霞んでおり、ほどなく明るくなると、代わりに我々は実際の事件を見たのだ。」
私はもう我慢ができなかった。
「しかし、先生。あなたは何をご覧になったのですか。」
私は熱病にでもかかったように夢中で尋ねた。
ラマは膝を進め、もういっぱいお茶を飲んだが、私はそのとき、師がインドのお菓子を食べるのを始めて見た。
お茶、そうだ、お茶も腹一杯飲んだ。
私は非常に倹約家で粗食の彼以外を知らなかったのだ。
さてそのとき、ちょうど鐘が鳴って勤行の始まりを知らせたが、ラマは動こうとせず、僧の最後の者が急いで走り去ったとき、彼はため息をついて言った。
「それでは続けようか。」
彼は始めた。

「これは私が見たり聞いたりしたもので、お前が見聞するのも遠い先ではない。数千年以上も前に、この世界には高い文明があったのだ。人々は重力に挑戦して機械に乗って飛ぶことができ、また自分の考えを絵のように表して、他人の心に印象付ける機械を作ることが出来たのだ。さらに彼らは核分裂の手段をもち、世界を破滅させる爆弾を爆発させて大陸を海中に沈没させ、逆に海を隆起させ、これによって世界は死滅してしまった。それで現在、この地上の我々は、いろいろな地方で洪水の伝説を持っているのだ。」
私はこの最後の部分には納得がいかなかった。
「先生、アカシックレコードの中で、そのような絵を見ることが出来ます。我々がこの場で、もっと簡単に経験できるものを、どうして危険を冒して山に登るのですか。」と、私は叫んだ。
すると師は、重大げに言った。
「ロブサン、我々は皆幽界やアカシックレコードを見ることができる。特に後者は起きたこと、全ての事実の再現である。しかし我々は見ることはできるが、触ることは出来ないのだ。幽界の旅で我々は、あちこち行ったり来たりできるが、その世界の何物にも触ることは出来ない。同様に、アカシックレコードによって、我々は全てを見ることは出来ても、この山の中の大きな部屋の中におかれた奇妙な機械を、近づいて詳しく試すことは出来ないのだ。だからその山に行って機械を試すのだ。」
「本当に奇妙ですね。そのような機会は世界中にあるはずなのに、我が国だけで見つかったとは。」と私は言った。




続く→




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